研究課題/領域番号 |
23K03903
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
増淵 泉 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (90283150)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 無限次元系 / フィードバック制御 / 線形作用素不等式 / 制御系設計 / 無限次元系の制御 / 無限次元線形パラメータ変動システム / ゲインスケジュールド制御 / ロバスト性解析 / 作用素不等式 |
研究開始時の研究の概要 |
無限次元系に対する出力フィードバックゲインスケジュールド制御系設計法の理論的枠組みの研究を行う。ロードマップとなる以下の項目の研究を行い、時不変系から出発し、作用素不等式による無限次元系のゲインスケジュールド制御系設計法を構築する。 (1) 線形作用素不等式に基づく、無限次元時不変系に対する出力フィードバック制御則の設計法の構築 (2) 時変・非線形不確かさの下での無限次元系のロバスト性解析 (3) 線形作用素不等式に基づく、無限次元LPVシステムに対する出力フィードバックゲインスケジュールド制御則の設計法の構築
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研究実績の概要 |
本年度は,線形作用素不等式による,無限次元次元線形システムに対する出力フィードバック制御則の設計法の構築を目標に研究を行った. 1.線形作用素不等式の性質を調べた.その出発点となるヒルベルト空間 X 上のリアプノフ方程式 PA + A^*P + Q = 0 においては,状態方程式に現れる生成作用素 A が非有界である場合には,エルミート作用素 Q が有界作用素(具体的には恒等作用素)のときエルミート作用素 P が X の中で不可逆になり得る.それに鑑み,本研究では作用素 P, Q および P の逆作用素のいずれか,あるいはすべてが非有界,あるいは,生成作用素 A に関する異なる次数の抽象的ソボレフ空間での有界作用素にとることを検討した.与えられた Q に対して P が存在するための条件や,作用素 P の性質について部分的な結果を得ている. 2.有限次元系においては,出力フィードバック制御則の状態方程式の係数および閉ループ系の二次形式リアプノフ関数を与える行列を未知数とする線形でない行列不等式(不等号は半正定値性の意味)を,変数変換と合同変換を通して,新たな変数についての線形行列不等式に等価的に帰着できる.無限次元系においても,形式上同様の議論ができ,例えば生成作用素 A が有界で,エルミート作用素による二次形式のレイリー商がの下限が厳密に正,上限が有界であることを要請すれば,ほぼ同様の(一部は異なる)結果が得られることを確かめた.他方, A や他の作用素が非有界の場合は,1.で述べたエルミート作用素のクラスとして様々なものが考えられることもあり,変数変換後のパラメータの作用素に関してもその定義域の設定について考察の余地がある.いくつかのケースについて不等式の性質を明らかにしている. 研究課題を進めるにあたり,国際学会,国内学会に参加し,情報収集を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
無限次元次元線形システムに対する出力フィードバック制御則の設計法の構築において,その基礎となる線形作用素不等式の問題設定や性質について,予想以上に多様な場合があり,その考察が道半ばである.
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今後の研究の推進方策 |
線形作用素不等式に含まれるパラメータの取り方に考察の余地があることがわかったので,そこをより明らかにする.この部分が,本課題全体の結果の質に大きな影響があると考えらえるので,できるだけ妥協せずに取り組もうと考えている.
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