研究課題/領域番号 |
23K03904
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今井 純 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (50243986)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | H∞ループ整形 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、高速高精度な位置決めを必要とするロボットアームにおける寄生振動の問題を解決するため、寄生振動を抑制する制御技術を開発するものである。ここではサーボ機構を持つロボットにおいて、センサにより寄生振動を検出し、駆動用モータにフィードバックして抑制することで実現する。しかし、負荷側の慣性が軽いときや、位置制御の帯域がアームの共振周波数に近いといった問題があり、これを回転型柔軟アームの厳密な伝達関数を用いたH∞ループ整形におけるロバスト制御器設計により解決を目指す。こうした成果により、アームの軽量化と省エネルギーの実現が期待できる。
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研究実績の概要 |
ロボットアームの軽量化ならびに省エネルギーを目指した,寄生振動を抑制する制御技術の実用化には,制御対象の非最小位相性と複数の制御ループの干渉の問題を解決する必要がある.低剛性なロボットアームには減衰の弱い振動極が虚軸に近いため,周波数特性上の設計において見かけ上の大きな誤差が生じ,センサからの情報を十分活かすフィードバック設計が難しいことが知られている. 加速度計を負荷側の振動モードの腹に設置したノンコロケート制御はコロケート制御で見られる極零相殺が緩和され振動モードの可観測性が改善される一方で、顕在化した不安定零点を正確に把握したうえでの繊細な制御が求められる。そのためアクチュエータに含まれる非線形摩擦の影響を軽減するために,本研究においては速度入力における厳密な伝達関数を利用した寄生振動の位相補償による制御系設計を提案し,シミュレーションによる有意性の検証を行っている。 不確かさの大きい非線形摩擦の影響をハイゲインな速度フィードバックによるマイナーループでキャンセルすることで線形性を確保し,周波数応答実験の援用により伝達関数のギャップ距離を解析した。それにもとづき,振動抑制ループと位置制御ループの相互干渉による不安定化を抑制できるロバスト安定化設計をH∞ループ整形により達成している。 数値シミュレーションにより2次振動モードまでを先端加速度計による位相調整にて抑制しつつ,速応性を確保した制御系設計が可能であることをI-PD制御およびスライディングモード制御との組み合わせにより示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
周波数応答実験における最大の障害である未知非線形特性に関して、速度マイナーループによる回避の目処が、速度入力の分布定数モデルの厳密な導出により実現可能性の目処を立てることができた。そのためH∞ループ整形手法による2次振動モード付近の安定余裕が容易に確保できるようになり、実験上の大きな問題の一つが解決に向かっている。
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今後の研究の推進方策 |
分布定数系に対する既約分解によるモデリング手法を誤差評価つきで確立し,従来は過大に考慮されていた不確かさをスリム化するという当初の目的達成のため,高次振動モード付近のナイキスト軌跡に確かな安定余裕を持たせるために必要なセンサスペックを定量的に明確化すること。非線形性を分離除去することで、既約分解表現上の不確かさの大きさの情報を利用し,提案するモデルの制御系設計上の有意性の有無を検証を目指していく。
1次共振ピーク付近までの制御帯域を実現する制御系設計に取組み,目標値ステップ応答,およびビーム先端部へのインパルスハンマーによる加振実験による外乱抑制性能について評価する。そしてペイロードの質量の増減によるロバスト性評価を踏まえたモデリングおよび制御器設計の修正改良を通じ,実機に即したチューニング法も含む設計指針を確立する.これにより設計モデルの精度と達成される性能との関連を明らかにする.
提案法のうちの干渉モデレータの低次元化,もしくは動吸振器側への繰り込み設計に取り組み,同じく性能試験,ロバスト性評価を実施予定。目標値追従だけでなく振動抑制機能においてもフィードフォワード制御とフィードバック制御の機能分離実装の実現に向けて取り組みを継続していく。
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