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データ駆動制御系設計による有限時間区間繰り返し動作のパフォーマンス最大化

研究課題

研究課題/領域番号 23K03909
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21040:制御およびシステム工学関連
研究機関東京都立大学

研究代表者

増田 士朗  東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (60219334)

研究分担者 松井 義弘  福岡工業大学, 工学部, 教授 (40300545)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワードデータ駆動制御 / 繰り返し学習制御 / 制御性能最大化
研究開始時の研究の概要

本研究では、対象システムのパフォーマンスを最大化するデータ駆動制御系設計手法の開発を目指す。そのため、繰り返し学習制御手法と外乱抑制のためのIFTに着目し、有限時間区間の繰り返し動作から得られる実験データを活用するアプローチを検討する。具体的には開発目標としては、繰り返し学習制御における参照信号の適切な設定手法を与えることや有限の時間区間による推定値の変動を考慮した外乱抑制のためのIFTの開発に取り組む。さらには繰り返し学習制御手法とIFTを融合し、対象システムのパフォーマンスを最大化する新しいデータ駆動制御系設計手法の開発を目指す。

研究実績の概要

本研究では、繰り返し動作する対象システムに対して,その制御動作のパフォーマンスを最大化するためのデータ駆動制御系設計手法を開発することを目的としている。2023年度は,このような研究目的に対してフィードフォーワード補償入力を繰り返し学習制御(Iterative Learning Control; ILC)で構成する一方でフィードバック制御器をIFT(Iterative Feedback Tuning)手法によって更新する手法の開発に取り組んだ。具体的には,フィードバック補償器の更新によりフィードフォワード補償設計のためのILCの学習対象が変化してしまう問題を解消するILCの更新法を与えた。また,非線形系に対してKoopman作用素を導入した線形モデルを導出し,そのモデルに対してILを設計する手法を与えた。また,バックステッピング法によるドローン制御実験を行い,積分補償や参照モデルの設定が制御性能に効果があることを実験的に検証する研究や非線形IFT法を利用することによってドローン制御系におけるPDゲインの調整法を与えた。また,データ駆動制御系によるフィードバック制御系の更新法として定値制御系に対するデータ駆動制御器調整法として予測誤差法を用いた制御器と外乱モデルの同時推定を行うVRFT法を提案する研究を行うとともに非線形系に対するVRFT法としてバックステッピング法を用いることによって非線形系に対しても系統的に制御系を構成し,VRFTにより制御器パラメータを調整する手法を与えた。さらに,対象システムから得られる時系列データを周波数領域に変換したのちに周波数領域におけるデータ駆動制御系設計を用いたPIDゲイン調整法や対象システムのモデリング手法に関して研究成果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,研究目的を達成するため,繰り返し学習制御(Iterative Learning Control; ILC)手法とIFT(Iterative Feedback Tuning)手法に着目し,両者を併用することにより,繰り返し動作を行う対象システムに対して,その制御動作のパフォーマンスを最大化することを当初の課題として設定していた。したがって,2023年度の研究によってILCによってフィードフォワード制御入力の更新とIFTによるフィードバック制御器パラメータの更新を併用する手法で研究成果が得られたことは,本研究が順調に進展している理由と言える。さらに,本研究で開発した手法の応用対象として想定しているドローン制御実験について研究成果が得られた点やデータ駆動制御手法や強化学習法による制御性能改善について研究成果が得られたことは今後の研究の進展につながる重要な成果と言える。以上のことから本研究はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

2023年度では,繰り返し動作を行う対象モデルに対して繰り返し学習制御と外乱抑制のためのIFTに着目し、両者をともに利用した場合に繰り返し学習制御の対象モデルが変化する問題に対し,補正項を繰り返し学習制御に加える手法を提案した。2024年度は,その研究成果をさらに拡張し,有限時間区間の繰り返し動作を行う対象モデルのパフォーマンス最大化を実現する手法の開発を目指す。具体的には,学習制御に用いるデータに雑音が含まれる場合や外乱が加わった場合への対応について検討を行う。さらに,2023年度では,ドローン実験装置に対してバックステッピング法の適用や非線形IFT法による制御器パラメータの調整法を適用する実験を行うことができたので,2024年度ではドローン制御実験に繰り返し学習制御を導入する取り組みを行う。また,2023年度では,強化学習法の1手法であるPolicy Iteration 手法によって定値制御系に対する外乱抑制性能を向上する手法の開発で研究成果を上げることができたので,2024年度では,Q-learning 法の導入に取り組むとともに強化学習法を繰り返し学習手法に導入することで繰り返し動作を行う対象モデルに対してパフォーマンスの向上を図る取り組みを行う。また,対象システムから得られる時系列データを周波数領域に変換したのちに周波数領域におけるデータ駆動制御系設計を行う手法を用いて周波数領域上でIFTを設計する手法について取り組む。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (22件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (19件)

  • [雑誌論文] フィードバック補償器のゲイン調整を導入した繰り返し学習制御2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤幸浩,増田士朗,豊田 充
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)

      巻: 144 号: 5 ページ: 489-495

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.144.489

    • ISSN
      0385-4221, 1348-8155
    • 年月日
      2024-05-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 線形系の周波数領域におけるデータ駆動パラメトリックモデリング2023

    • 著者名/発表者名
      松井義弘, 綾野秀樹, 増田士朗, 中野和司
    • 雑誌名

      システム制御情報学会論文誌

      巻: 36 号: 12 ページ: 401-409

    • DOI

      10.5687/iscie.36.401

    • ISSN
      1342-5668, 2185-811X
    • 年月日
      2023-12-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 周波数領域モデルマッチングによるPID調整2023

    • 著者名/発表者名
      松井義弘, 綾野秀樹, 増田士朗, 中野和司
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌)

      巻: 143 号: 7 ページ: 671-679

    • DOI

      10.1541/ieejeiss.143.671

    • ISSN
      0385-4221, 1348-8155
    • 年月日
      2023-07-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] シフト演算子を用いたVRFTにおける最適プレフィルタの設計2024

    • 著者名/発表者名
      増田士朗
    • 学会等名
      電気学会電子・情報・システム部門 制御研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 過渡応答データを用いた周波数領域出力推定による状態フィードバックゲイン更新2024

    • 著者名/発表者名
      松井義弘,綾野秀樹,増田士朗,中野和司
    • 学会等名
      第11回計測自動制御学会マルチシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ガウス過程回帰によるインパルス応答推定を用いた2乗追従誤差最小化2024

    • 著者名/発表者名
      豊田 充,増田士朗
    • 学会等名
      第11回計測自動制御学会マルチシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 閉ループデータを用いた車両のヨーレート制御系設計2023

    • 著者名/発表者名
      松井義弘,綾野秀樹,増田士朗,中野和司
    • 学会等名
      電気学会電子・情報・システム部門 制御研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ドローンシミュレータを用いたPIDゲイン調整 -水平目標軌道に対する制御実験とその性能評価-2023

    • 著者名/発表者名
      宮城島康生,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 3次元目標軌道に対するドローン制御実験 -バックステッピング法の適用とその性能評価-2023

    • 著者名/発表者名
      目黒優矢,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 逐次最小二乗法によって導出されたKoopman作用素の有限次元近似に基づくノルム最適化ILC2023

    • 著者名/発表者名
      関野太紀,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 強化学習法による外乱抑制のための適応線形2次規範最適レギュレータ2023

    • 著者名/発表者名
      石垣菜月,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 規範モデル伝達関数を用いた定値制御系に対する外乱モデルと制御器の同時推定2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤彰吾,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 規範モデル追従制御のためのプラントモデルと外乱モデルと制御器の同時推定2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木晴登,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] フィードバック補償器のゲイン調整を導入した繰り返し学習制御における学習係数の更新法2023

    • 著者名/発表者名
      長濱新汰,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 定常値を持つ過渡応答データの周波数分解能改善法とその閉ループモデリングへの応用2023

    • 著者名/発表者名
      松井義弘,綾野秀樹,増田士朗,中野和司
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 非線形システムに対するバックステッピング法を用いたデータ駆動制御器調整2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤有記,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 繰り返し学習制御における過渡特性を考慮した学習係数の設計法2023

    • 著者名/発表者名
      素保葵衣,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] データ駆動制御器調整のためのカーネル正則化による閉ループ系インパルス応答の推定2023

    • 著者名/発表者名
      小坂航太,増田士朗,豊田 充,松井義弘
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] データ駆動型繰り返し学習制御に基づくラゲール基底を用いたフィードフォワード制御器設計法2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤幸浩,増田士朗,豊田 充
    • 学会等名
      2023年電気学会電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Stochastic disturbance attenuation using adaptive LQ regulator based on reinforcement learning approaches2023

    • 著者名/発表者名
      Vina Putri Virgiani, Shiro Masuda
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 制御理論研究の知的財産権2023

    • 著者名/発表者名
      田中雅人,増田士朗,石橋政三,坂倉 浩一,池田英俊,三村和弘
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] z変換を用いた非零の定常値を持つ過渡応答信号の周波数特性推定法2023

    • 著者名/発表者名
      松井義弘,綾野秀樹,増田士朗,中野和司
    • 学会等名
      第66回自動制御連合講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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