研究課題/領域番号 |
23K03915
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
市原 裕之 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70312072)
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研究分担者 |
澤田 賢治 電気通信大学, i-パワードエネルギー・システム研究センター, 准教授 (80550946)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | モデル予測制御 / 状態推定 / 最適化 |
研究開始時の研究の概要 |
モデル予測制御 (Model Predictive Control, MPC) は自動運転をはじめ多くのアプリケーションに適用できる有用な手法ではあるが,対象毎にモデル化,状態推定,状態予測,最適化のどれかにボトルネックが発生し,それがそのまま安定性,制御性能に関する議論の難しさに繋がる.本研究では,MPC におけるモデル化,状態推定,状態予測,最適化を1つに繋げる定式化を Receding Horizon Total Control (RHTC) として実現する.また,最適化条件を介したセクター条件の観点から RHTC の基本特性を明らかにし,自動運転制御への適用可能性を探る.
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研究実績の概要 |
モデル予測制御と状態推定の両方向から最適化プロセスを意識した解析・設計を行うために,2023年度は分散型のモデル予測合意に対して分散型の状態推定を導入することを検討した.マルチエージェントシステムのモデル予測合意では,エージェントが隣接エージェントの状態のコピーを持ちそれぞれが持つ特定のエージェントの状態を合意するプロセスと,評価関数によって隣接エージェントの状態が合意するプロセスから成る.状態推定を導入するにあたっては推定状態のコピーを隣接集合のそれぞれのエージェントが持つようにすることが可能である見通しが立った.また,モデル予測合意では,双対分解による分散最適化手法を発展させた交互乗数法によって,いくつかの条件のもとで最適解への収束を保証することができる.状態推定を加えた場合でもこのような性質を主張できるか検討する.また,状態推定を導入するための準備として,サンプル点間応答を考慮したモデル予測制御に関して検討した.とくに,非凸な制約を考慮してサンプル点間応答を考慮することで,サンプル点間で本来満たしてほしい連続的な制約条件を破ることが少なくすることができることがわかった.実験室での移動体での実機実験によって検証を行った.非凸制約を有するモデル予測制御問題を解くに際には,ラグランジュ関数に基づく双対問題を導入した.サンプリング周期ごとに線形行列不等式問題を解くことを許せば,双対問題を凸問題に帰着することができる.また,主双対勾配法を利用したReceding Horizon 推定についても検討を行い,推定が数値的に収束するための基礎条件をSmall Gain定理から与えた.その他にも,プラトゥーン制御におけるプライバシー保護制御についても検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標であったモデル予測に状態推定を導入する見通しが立つとともに,これらを単一の問題として制御入力を生成する見通しも立った.
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今後の研究の推進方策 |
モデル予測合意に状態推定を導入したRHTCによる分散最適化問題に対して,交互乗数法によって最適解への収束を保証することができる.また,非同期制御についても検討していく.また,安定性や制御性能に関しても検討していく.同時に,非凸制約をもつRHTCについて検討を行う.実験室での移動体を用いた実機実験を通して効果を検証していく.
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