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Q(t)法を利用した不平等電界下における絶縁材料中の電流分布測定装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K03932
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分21050:電気電子材料工学関連
研究機関松江工業高等専門学校

研究代表者

福間 眞澄  松江工業高等専門学校, 電気情報工学科, 嘱託教授 (70228930)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード絶縁材料 / CV法 / Q(t)メータ / 空間電荷 / 平衡漏れ電流 / 瞬時充電電流 / 吸収電流 / マルチチャンネル / 電流積分計 / 不平等電界 / 電流分布 / Q(t)
研究開始時の研究の概要

本研究では,電流積分電荷法[Q(t)法]と電気化学で用いられるCV法を組み合わせた測定方法[Q(t)-CV法]により,多チャネルQ(t) メータを改良し,高温,直流,不平等電界下での絶縁材料の電流分布測定および材料内部の蓄積電荷分布を推定する技術を開発する。

研究実績の概要

本研究全体の実施計画は以下の通りである。本研究では,現状の1chのQ(t)メータを改良(x,y座標に配置する下部電極面積を小さくし,高位置分解能化を図る)し,1次元(x座標)Q(x,t)メータ,もしくは,2次元(x,y座標)Q(x,y,t)メータを実現することが目標である。具体的には以下の①から⑤を実施する。
①15chのQ(x,t) メータを製作し,針‐平板電極系シリコーンゲル試料の電流分布と蓄積電荷分布について調査する。②15chのQ(x,t) メータを用いて,針‐平板電極系シリコーンゲル試料の温度特性(室温~100℃)を測定可能とする。③測定中にトリー等が発生し,絶縁破壊が発生しても装置が破損しないための保護回路を設ける。④15chのQ(x,t) メータを利用して,シリコーンゲル中の電流分布と蓄積電荷分布の周波数特性を調査する。商用周波数(50Hz)から直流(1mHz以下)までの周波数応答を測定し蓄積電荷量を評価する(温度特性を含む)。⑤1次元15ch-Q(x,t) メータを2次元60ch-Q(x,y,t) メータに展開し,針‐平板電極系シリコーンゲル試料のトリー進展についての調査を行う。
現在,①から③を15ch-Q(x,t)メータを製作した。今後2年間は,④と⑤の マルチチャンネルのQ(x,t)およびQ(x,y,t)メータの製作を平行して行う予定である。
昨年度の実績について,①にあたる電極の高分解能化は,市販の表面実装部品用の基板(SMTコネクタ変換基板:0.3-0.8mm間隔の電極)を利用して行った。シリコーンゲルの他に高粘度シリコーンオイルについて実験を行った。②の測定については,低温乾燥機などを利用して,実験を行っている。③については,オペアンプ(LT1793)を利用したインピーダンス変換器とスパークギャップを利用した測定部と保護回路を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究①から⑤を進めるにあたって現状のハードウエアの部分の準備は上記の予定の通り進めてきた。ソフトウエアの面の研究実績とその課題を以下に示す。本研究は,マルチチャネルのQ(t)メータ[15ch-Q(x,t)メータ,60ch-Q(x,y,t)メータ]のハードウエアを開発して,かつ,試料内の電荷蓄積分布(各チャネルでの蓄積電荷量)についても測定データを得られるようにしたいと考えている。その中でソフトウエアとしては,各チャネルで測定したQ(t)波形から試料内部の蓄積電荷を算出する方法が重要となる。空間電荷分布とQ(t)が測定可能な程度の厚さのある試料(200μm)を用いて,両者の並列同時測定を行い,Q(t)波形から蓄積電荷量を測定する方法について研究を進めている。Q(t)法の有用性は,高精度電流測定が可能である点である。一方,空間電荷分布測定では,正味の試料内の電荷分布を測定しており,正負の電気伝導に寄与する電荷が同じ位置にある場合には観測されない。そこで,現状では,試料内部での蓄積電荷を考慮した等価回路(Rs:平衡もれ電流を考慮した抵抗分,Cs:試料の静電容量成分,Ra-Ca:試料内へ電荷蓄積,吸収電流成分)の過渡解析を行いQ(t)波形から等価回路Caに蓄積する電荷量を蓄積電荷とする方法がよいと考えている。

今後の研究の推進方策

今後は,マルチチャンネルのQ(t)メータ[15ch-Q(x,t)メータ,60ch-Q(x,y,t)メータ]のハードウエアの製作を進める。また,厚いフィルム試料(厚さ200μm,ポリプロピレンフィルム)を利用した空間電荷分布とQ(t)の同時測定から等価回路によるシミュレーションを行い,1チャンネルのQ(t)波形から蓄積電荷を算出するソフトウエアの構築を進める。さらに,構築したソフトウエアをマルチチャンネルに展開しして,マルチチャンネルのQ(t)メータのデータ処理を行い,針-平板電極等の蓄積電荷の分布を算出する。2024年度は15chのマルチチャンネルのQ(t)メータについて上記内容を達成したい。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Parallel Measurements of Q(t) and Space Charge Distribution in PP film2023

    • 著者名/発表者名
      Masumi Fukuma, Yoitsu Sekiguchi
    • 学会等名
      Proceedings of International Symposium on Electrical Insulation Materials 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Measurement of Absorption Current of Polyester Coated Enameled Wires with Q(t) meter2023

    • 著者名/発表者名
      Akinao Watanabe, Masumi Fukuma,Yoitsu Sekiguchi
    • 学会等名
      Proceedings of International Symposium on Electrical Insulation Materials 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 高分子絶縁材料のQ(t)メータで測定した電荷量比と空間電荷分布2023

    • 著者名/発表者名
      福間眞澄,関口洋逸
    • 学会等名
      令和5年電気学会基礎・材料・共通部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Q(t)メータによる不平等電界下の電荷注入に関する考察2023

    • 著者名/発表者名
      藤井雅之,福間眞澄,光本真一
    • 学会等名
      令和5年電気学会基礎・材料・共通部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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