研究課題/領域番号 |
23K03954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高野 恵介 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (70583102)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | テラヘルツ波 / 強誘電体薄膜 / MOSキャパシタ / 強誘電体 / 半導体 / テラヘルツ / レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
酸化ハフニウムの極薄膜で強誘電性が発現することが発見されて以降、省エネ、大容量で高速動作が可能な、これまでにない強誘電体メモリデバイスの実現に向けた研究開発が盛んに行われている。本研究で、超短パルスレーザー励起で生じるテラヘルツ波パルス測定による半導体表面ポテンシャル分布取得から、電極形成が不要で、非破壊、非接触に大面積適用可能な強誘電体デバイス評価が可能であることを実証する。
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研究実績の概要 |
本研究ではレーザー照射によって生じるテラヘルツ波の観測によって強誘電体の分極状態を非接触に調べる手法の確立を目指している。そのために必要な強誘電性を示す薄膜試料の作製を文科省マテリアル先端リサーチインフラの共用設備を利用して試みた。P型シリコン基板上に原子層体積法によって複数の条件下でHfZrO薄膜を成膜した。その後,TiN薄膜をメタルマスク越しにスパッタリングで成膜し,容量測定用の電極パターニングを行った。窒素雰囲気中でのラピッドサーマルアニールを施した後,裏面にアルミニウムを成膜した。 容量測定のために簡易卓上プローバシステムを構築し,試作した試料について容量測定を行った。上面電極のTiNの電気伝導度が低く,試料がキャパシタとして機能せず容量測定ができないことがわかった。そこで, TiN電極の上に,Auをスパッタリングで追加成膜したところ,金属-絶縁体-半導体キャパシタに特徴的な容量電圧曲線が観測された。しかしながら,電荷トラップの影響と見られる強誘電性とは逆方向となるヒステリシスが容量電圧曲線に見られ,強誘電性はここまで確認できていない。容量測定で観測された電子トラップは,HfZrO層とSi間界面に生じていると考えられる。また測定された薄膜誘電率も文献値に比べ低いものになっている。電子顕微鏡で断面観察を行い,薄膜および半導体との界面状態を確認する必要がある。今後,多条件下で作製した試料について容量測定を行い強誘電性キャパシタ試料を探索する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文科省マテリアル先端リサーチインフラ共用設備を利用して,金属―強誘電体―半導体キャパシタを試作した。長野県設備での予備測定の後に,簡易卓上プローバを容量測定のために構築した。試料上部のTiN電極の電気伝導度の低さから,容量測定ができないことがわかった。そこで上部電極に追加でAuを成膜したところ,金属―強誘電体―半導体キャパシタで一般的に見られる容量電圧曲線が測定された。しかし,今のところ強誘電性を示す試料が得られていない。また,構築したプローバでノイズが大きく観測されるという問題が生じ,対策を進めている。未測定の作製条件試料について,強誘電性の確認を進める。また,断面の電子顕微鏡観察により,膜厚測定および界面状態の確認を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究には強誘電性を示す薄膜試料が必要であるため,プローバのノイズ対策を実施し未測定の作製条件試料の容量測定を進める。断面の電子顕微鏡等での観察し,試料状態によっては試料再作製を行う。試料準備の目処が立ち次第,超短パルスレーザー照射時の発生テラヘルツ波観測光学系の構築を行う。
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