研究課題/領域番号 |
23K03967
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
盛 鵬 北見工業大学, 工学部, 助教 (70773745)
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研究分担者 |
柴田 浩行 北見工業大学, 工学部, 教授 (60393732)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 磁性ジョセフソン接合 / 超伝導 / 二ホウ化マグネシウム / 薄膜 / 分子線エピタキシー / エピタキシャル成長 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
「磁性ジョセフソン接合」は、磁性膜をバリア層とする超伝導スピントロニクスデバイスの代表例です。これまでの磁性ジョセフソン接合の実験報告では、超伝導層としてNb やNbN が使われていたため、動作温度は約4 K まで低くする必要がありました。一方、超伝導転移温度がより高い二ホウ化マグネシウム(MgB2)を用いた超伝導トンネル接合は実現されていますが、磁性ジョセフソン接合は報告されていません。本研究では、MgB2 をベースとしたエピタキシャル成長した磁性ジョセフソン接合を初めて作製し、それを使用して20 K で動作可能な0-0-π 超伝導量子干渉計(SQUID)を実現します。
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研究実績の概要 |
「磁性ジョセフソン接合」は、磁性膜をバリア層とする超伝導スピントロニクスデバイスの代表例であり、低温メモリデバイス、超伝導ロジックおよび量子コンピューティングなどの実現に大きく寄与すると期待されている。これまでの磁性ジョセフソン接合は、超伝導層としてNbやNbNが使われていたため、動作温度は約4 Kまで低くする必要があった。本研究では、二ホウ化マグネシウム(MgB2)を用いて磁性ジョセフソン接合を初めて作製し、それを使用して20 Kで動作可能な0-0-π超伝導量子干渉計(SQUID)を実現することを目指している。
令和5年度は、高品質な完全エピタキシャルMgB2/AlOX/MgB2多層膜の成長条件を検討した。まず、厚さ50-100 nmのMgB2膜のTcが約220°Cで30分間加熱した後でもTc約30 Kであることを確認した。これは、この薄膜が安定しており、ジョセフソン接合の作製に必要な条件に適していることを示している。AlOXバリア層を作製する際、Al膜の成長厚さや酸化時間などの条件を変更することにより、一連のMgB2/AlOX/MgB2多層膜試料を作製した。デバイスの作製に関しては、現在エッチング用のCADパターンを設計している。一方、酸化条件が界面に及ぼす影響を確認するために、TEMを使用してMgB2/AlOX界面を分析する準備も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究室のイオンエッチング装置ではMgB2膜のエッチングが困難であることが判明したため、成長した多層膜試料を全て北大に送ってエッチングしてもらう必要があった。そのため、先方のエッチング装置に合わせたCADパターンを設計する必要がある。また、先方の手配する実験スケジュールを待つ必要もある。
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今後の研究の推進方策 |
CADパターン設計完了後、直ちに北海道大学に連絡し、多層膜試料のエッチングなどの微細加工の手配を早急に依頼する。同時に、磁気ジョセフソン接合に必要な磁性多層膜を成膜し、さらなる研究を進めて遅れを取り戻す。
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