研究課題/領域番号 |
23K03971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
ASUBAR JOEL 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (10574220)
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研究分担者 |
谷田部 然治 熊本大学, 半導体・デジタル研究教育機構, 准教授 (00621773)
葛原 正明 関西学院大学, 工学部, 教授 (20377469)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Normally-off / AlGaN/GaN / HEMT / MIS / Hi-K dielectric / AlGaN / GaN |
研究開始時の研究の概要 |
GaNの広いバンドギャップに起因する望ましい物性値により、GaN 系デバイスは、これまでにないパワー、効率、周波数レベルを実現することが可能であり、現代社会で重要な役割を担う。ただし、この優れた2DEGにより、AlGaN/GaN HEMTは、負のしきい値電圧VTHを持つノーマリーオンとなってしまう。つまりゲートに電圧が印加されていない場合でも、電流が端子(ソース-ドレイン)間に流れてしまう。このため、フェイルセーフを確保し、複雑なゲート駆動回路を組み込む必要のない、正のしきい値電圧VTHを備えた「ノーマリーオフ」デバイスの実現が必須である。
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研究実績の概要 |
1) 厚さ 1 nm の AlGaN 再成長の有無を除き、同じ作製プロセスでZrO2/再成長 AlGaN/GaN MIS-HEMT と従来の ZrO2/AlGaN/GaN MIS-HEMT を作製しました。これは、再成長層の挿入によるデバイス性能の向上が何に起因するものかを明らかにする上で重要です。その後のデバイス構造の評価により、目標通りに1 nm の AlGaNが成膜出来ていることが確認出来ました。 2) ZrO2/再成長 AlGaN 界面と従来の ZrO2/AlGaN 界面を調査するために静電容量電圧特性と光支援静電容量電圧特性を測定し両者の比較を行いました。その結果、ZrO2/再成長AlGaNは、従来のZrO2/AlGaN界面に比べて、界面準位が1桁小さいことが明らかになった。測定によるC-V曲線をDIGS(disorder induced gap state)モデルと比較した結果、ほぼ一致していることが確認出来ました。 3) ZrO2/regrown AlGaN/GaN MIS-HEMTと従来のZrO2/AlGaN/GaN MIS-HEMTの電気的特性評価を行った。その結果、厚さ1nmの再成長AlGaN層を挿入することにより、以下の(a)~(c)が確認出来ました。(a)ドレイン電流が1000mA/mmから1050mA/mmに増加(b)ヒステリシスが1.7Vから0.97Vに減少(c)順方向ゲートリーク電流が4桁に減少
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、リセス構造を有するZrO2/再成長AlGaN/GaN MISキャパシタおよびリセス構造を有する従来のZrO2/AlGaN/GaN MISキャパシタの比較を行っている。 暫定的な結果の一部を国際学会で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
来年は以下の研究を予定している。 1. MOCVDチャンバー内におけるNH3およびH2中でのAlGaN表面の成長前工程のアニール条件の最適化。 2. 安定したノーマリーオフ動作を実現するためにしきい値の正のシフトを目的としたZrO2/極薄再成長AlGaN/GaN MISキャパシタの作製と特性評価。 3. ZrO2/極薄再成長AlGaN/GaN構造のキャリア密度、キャリア移動度、散乱機構などの基礎物性の調査。
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