研究課題/領域番号 |
23K03976
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
藤本 邦昭 東海大学, 文理融合学部, 教授 (60229044)
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研究分担者 |
矢原 充敏 東海大学, 文理融合学部, 教授 (30259692)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ニューロン電子回路 / ニューラルネットワーク / ニューロンCMOS / ハードウェアニューロン / 集積回路 |
研究開始時の研究の概要 |
生体において、神経細胞が情報の伝達と処理の両方の機能を持っている点に着目しており、従来信号の伝達の機能しか持っていなかった配線に情報を処理する機能を持たせることで、従来にない、高性能で集積度の高い神経細胞モデルの電子回路を実現できると考えている。現在、シミュレーションにより所望の動作が得られること確認している。本研究では、これを集積化し実チップを用いた実験により性能の評価を行なう。また、この回路を基本回路に用いてニューラルネットワークを構築し、提案回路が人工知能の処理に適していることを、実チップを用いた実験により確認する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、生体において、神経細胞が情報の伝達と処理の両方の機能を持っている点に着目しており、従来信号の伝達の機能しか持っていなかった配線に情報を処理する機能を持たせることで、従来にない、集積度の高い神経細胞モデルの電子回路を実現できると考えている。神経細胞モデルの電子回路として、ニューロンCMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor) インバータが有名であるが、この回路は、二層ポリシリコンプロセスという特殊なプロセスを用いないと製造できない。また、一般のプロセスでこれと等価な回路を作成しようとすると多量のコンデンサを用いる必要がある。配線間容量は、従来誤動作の原因となることから削減対象であった。これを積極的に利用することで集積度の向上も期待できると考えている。提案回路がCMOSインバータの閾電圧変動の影響およびゲート部分の容量や寄生容量の影響を受けにくいことを理論とシミュレーションの両面から確認しており、これを集積化し実チップを用いた実験において確認したいと考えている。2024年2月に集積回路の設計データを提出済みであり、2024年度5月に集積回路を受け取る予定である。 研究を進めていく中で、提案回路はMOSFETの閾電圧付近で回路を動作させているため、消費電力が大きくなるという問題点があることが判明した。この問題点を解決する回路構成についても検討をはじめており、問題点を解消した回路を考案していおり、今後そちらを用いて研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、配線間容量を利用したニューロン電子回路を集積化し、CMOSインバータの閾電圧変動の影響およびゲート部分の容量や寄生容量の影響を受けにくいことを、実チップを用いた実験により検証する予定であったが、集積回路設計CAD用ワークステーションが故障したため、提案回路の集積回路レイアウトの設計が遅れてしまい、実チップの納入が2024年5月となり、2023年度中に実チップ用いた検証を行うことができなかった。しかし、シミュレーションを用いての応用回路に関する研究の進捗状況は予定より順調であり、国際ジャーナルにおいて論文を発表することができた。 本科研費の予算により、2023年度に集積回路設計CAD用ワークステーションを購入したので、今後は、安定して集積回路のレイアウト設計が可能になると思う。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施予定であった配線間容量を利用したニューロン電子回路の実チップを用いた動作検証を行う。また、提案回路より消費電力の小さな回路を考案しており、その検証も進めて生きた。さらに、提案するニューロン電子回路をを基本回路としたニューラルネットワークのレイアウト設計を行い集積回路化し、実チップを用いた実験を行う予定である。なお、研究を通して得られた研果は、国際会議や国内の学会において公表していきたい。
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