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インフラの効率的維持管理のためのRCレーダ技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K03990
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
研究機関長崎大学

研究代表者

田中 俊幸  長崎大学, 工学研究科, 教授 (50202172)

研究分担者 藤本 孝文  長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40264204)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード水平ひび割れ探査 / 鉄筋径探査 / 電磁波レーダ / インフラ維持管理 / 非破壊検査 / RCレーダ / ひび割れ探査 / 鉄筋径推定
研究開始時の研究の概要

高速道路や橋梁を構成する鉄筋コンクリート部分の水平ひび割れは早急に補修しなければ大事故につながる。また、コンクリート構造物の耐用年数を求めるのに重要な鉄筋のかぶりや鉄筋径及びコンクリートの状態の把握は、適正な維持管理において非常に重要なパラメータである。しかしながら、現在の非破壊検査装置ではいずれも十分な精度が得られておらず、新たな非破壊検査装置(方法)の開発が望まれている。
本研究ではインフラ構造物の安全な維持管理を行うために役立つ非破壊検査装置(手法)の開発を目指している。

研究実績の概要

「インフラの効率的維持管理のためのRCレーダ技術の開発」の研究として2つの大きなテーマ① :市販のRCレーダを用いた高性能の鉄筋径の推定手法の開発,② :水平ひび割れを受信できるRCレーダの開発を掲げた.
テーマ①の市販のRCレーダを用いた高性能の鉄筋径の推定手法の開発に関しては市販のレーダをレンタルし,その観測データから研究を進める予定であったが,市販のレーダにはブラックBOXの部分が多く,正確な鉄筋径を求めることは困難であると判断し,研究を自作のアンテナとネットワークアナライザを利用した簡易的なレーダ装置を作成して鉄筋からの反射波を受信し,正確な鉄筋径を推定するアルゴリズムを開発することに移行した.そのプログラムを実際のRCレーダに適用することにより,最終目標に到達することになる.今年度は自作のレーダ装置を作成し,通常の鉄筋探査ができることを確認し,放射したパルス波がコンクリート中を伝搬するに際に,伝搬距離に応じてハルス波が広がることを確認した.この研究は遠回りのようであるが,実際には最短に結果を得るための必要な回り道だと考えている.
テーマ②の水平ひび割れを受信できるRCレーダの開発に関しては,降雨後のアスファルトの特性変化を明らかにし,降雨後にRCレーダでアスファルトで舗装された道路の安全診断を行なうためには,少なくとも雨が上がって1週間以上の日数が必要であることを明らかにした.また,現在の水平ひび割れ探査システムで必要なデータの距離間隔や周波数間隔について調査した.後半の部分は現在学会発表にまとめているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの進捗状況を2つのテーマに対して別々に説明する.
テーマ①市販のRCレーダを用いた高性能の鉄筋径の推定手法の開発
このテーマは順調に進んでいるとはいえない.当初は最新のRCレーダをレンタルし,現在開発している鉄筋径の推定アルゴリズムに適用予定であったが,電磁波パルスが損失媒質であるコンクリートを伝搬中にパルス幅が広がっていることを確認したので,パルスの広がりの補正を考慮した新たな鉄筋径探査アルゴリズムの開発を行なう予定であった.しかし,市販のRCレーダの初期パルス幅やパルスの時間原点は一般公開されておらず,これらの推定を先に行なう必要が生じた.そこで,自作のアンテナとネットワークアナライザを利用した簡易レーダを作成し,パルス幅の補正アルゴリズムを先に作成することにした.研究を一旦遠回りさせることになるため,研究完成までの期間が長くなることになるが,パルス幅の広がり補正するアルゴリズムが完成すれば,それをこれまでの鉄筋探査アルゴリズムに導入することにより,市販のRCレーダに対しても適用可能な鉄筋探査アルゴリズムが完成できる.
テーマ②水平ひび割れを受信できるRCレーダの開発
このテーマに関しては順調に進んでいると判断する.道路の水平ひび割れ検出においては,雨が降っていない状態で,時間を掛ければアスファルトで舗装された高速道路を模擬したコンクリート中の水平ひび割れを検出できることを示した.残っている課題は降雨後の探査,観測時間の高速化,データからのひび割れ検出の自動化,アンテナの高性能化である.令和5年度は主にアスファルトの電気定数の降雨依存性について研究を行なった.その結果,降雨によるアスファルトの電気定数の変化を明らかにし,降雨後1週間が経過すれば,水平ひび割れが探査可能であることを確認した.
以上をまとめると,総合的には予定通り進んでいると考えている.

今後の研究の推進方策

2つのテーマに対しする今後の研究の推進方策について別々に説明する.
テーマ①市販のRCレーダを用いた高性能の鉄筋径の推定手法の開発
ベクトルネットワークアナライザを利用した簡易レーダを用いてコンクリート中の伝搬距離に対するパルス幅の拡張を近似関数で表し,高精度鉄筋探査アルゴリズムに組み込む.また,現在は送信アンテナと受信アンテナを別にした構造で,鉄筋探査を行なっているが,1つの送受信アンテナを利用した鉄筋探査の可能性についても議論する予定である.1つのアンテナによる鉄筋探査の方が鉄筋径の推定に有用であると判断されれば,従来のRCレーダーの技術をそのまままに,2つのアンテナを同一直線上に配置する構造で,鉄筋探査を試みる.
テーマ②水平ひび割れを受信できるRCレーダの開発
パルスを構成する正弦波の数を減少させ,測定時間の短縮を図る.また,測定データの間隔を広くし,想定時間の短縮を図る.さらに,測定データから自動的に水平ひび割れが表示されるアルゴリズムを開発する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 電磁波レーダによる高速道路や橋梁の水平ひび割れ探査2023

    • 著者名/発表者名
      田中 俊幸,藤本 孝文
    • 雑誌名

      電気学会誌

      巻: 143 号: 6 ページ: 338-340

    • DOI

      10.1541/ieejjournal.143.338

    • ISSN
      1340-5551, 1881-4190
    • 年月日
      2023-06-01
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] コンクリート内部探査用プリント基板型モノポールアンテナに関する研究2024

    • 著者名/発表者名
      井上勇介・藤本孝文・グアン チャイユー・田中俊幸
    • 学会等名
      映像情報メディア学会放送技術研究会 2024年1月
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電磁レーダを用いた高速道路のひび割れ検出のための降雨後のアスファルトの評価2023

    • 著者名/発表者名
      田中俊幸, 岩永瑞生, 平井順也, 藤本孝文
    • 学会等名
      電子情報通信学会ソサイエティ大会 2023年9月
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アスファルト舗装高速道路内の水平ひび割れ探査に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      平井順也,岩永瑞樹,田中俊幸
    • 学会等名
      電子情報通信学会九州支部学生会講演会 2023年9月
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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