研究課題/領域番号 |
23K04008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西川 貴文 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (50512076)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 3次元モデリング / 光学計測 / 画像解析 / 機械学習 / システム同定 |
研究開始時の研究の概要 |
災害等の突発的な事象に加えて、経年劣化に起因する構造上の問題が各地の橋梁で発生・増加する状況下、橋梁の健全性を確かな方法と根拠データにもとづいて評価することが強く求められているが、構造諸元に関する情報の不足によってそれが困難な橋梁が非常に多い。本研究では、構造諸元が不確かな橋梁の現況を忠実に再現する構造解析モデルを合理的かつ精緻に構築する手法を確立することに取り組む。モデリングのプロセスを主に形状推定とモデルパラメータ決定の二段階で構成する。簡易な光計測と画像認識技術を統合して詳細な形状推定を実現し、振動応答等にもとづいた参照値を用いた学習計算によってモデルパラメータを自律的に決定する。
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研究実績の概要 |
本研究では、橋梁構造物の初期の製作誤差や経年的な劣化・損傷によって部材の寸法や材料といった構造諸元が不確かな事象において、構造の現況を忠実に再現する構造解析モデルを合理的かつ精緻に構築する手法を確立すること目的として、簡易な光計測と二種類の画像認識技術を統合した形状推定(要素課題1)と、振動応答等にもとづいた参照値を用いた学習計算によるモデルパラメータの自律決定計算(要素課題2)の手法の確立に取り組んでいる。 要素課題1については、機械学習による深度推定と領域分類の出力を、LiDARにより取得した点群データに組み合わせて、ポイント(座標)を部材ごとにグルーピングするアプローチをとっている。研究計画では、2023年度から2024年度第2四半期にかけて、要素課題1において3Dデータに画像領域と画像深度を付与した部位認識の高精度化に取り組むこととしている。計画に則って、2023年度は、過去に火山災害により廃止された橋梁をテスト橋として、簡易・可搬なLiDAR機器を使用した場合の点群データの精度評価や、座標の補正(整)、変換方法の検討を行った。他方、画像解析については、市販の単眼カメラで取得した同橋のRGB画像データについて、領域分類による構造部材の特定と分類を行う手法の構築を進めるとともに、画像内の各セグメントに深度推定の出力を統合することで、画像座標系を3次元へ拡張するアルゴリズムの開発に取り掛かったところである。これらの段階的な研究成果については、2024年度第4四半期に学会発表することを予定している。 要素課題2については、計画に則って2024年度から2025年度にかけて具体の研究を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記載したとおり、申請した研究計画に則って、2023年度は橋梁構造物を対象とした簡易なデータ取得と高度な分析による高精度な形状推定手法の開発(要素課題1)に取り組んだ。簡易なLiDAR機器で取得した試験橋梁の点群データを分析したところ、座標の再現精度が当初の想定よりも低いことが明らかになったため、集録データの質の向上と補正処理の強化が必要となった。これに対して、データの質の向上は、機器の選定や集録方法の検討で対応できるものと考えているが、本研究では、データ処理の強化による改善に重点をおいて研究を進めている。本報告時点において、計画に対する進捗は概ね想定の範囲内である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、研究計画に則って研究を進めることを予定している。要素課題1については、2024年度第2四半期までを実施予定期間としており、「現在までの進捗状況」に記した問題に対する改善に取り組む。 また、並行して要素課題2に掲げる構造パラメータの自律決定手法の構築と検証に取り組む。 各研究課題の進捗は、段階的な成果の発表に努める。
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