研究課題/領域番号 |
23K04009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
平野 廣和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (80256023)
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研究分担者 |
佐藤 尚次 中央大学, 理工学部, 教授 (30162457)
鈴木 森晶 愛知工業大学, 工学部, 教授 (90273276)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | バルジング / スロッシング / 振動計測 / 構造と流体の連成解析 / 貯水槽 / 耐震設計 / 微動計測 / 振動実験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、バルジング発生の有無を把握し、スロッシング用制振装置と本研究成果のバルジング用制振装置の二種類を設置し、異なった二種類の振動現象から貯水槽を守りかつ耐震性向上のための複合制振装置を実用化することを可能とし、これで貯水槽耐震性向上の研究の完成形となる。
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研究実績の概要 |
震度6弱を超える地震が発生する度に、バルジングによる貯水槽の損傷被害が多数報告されている。バルジングは、地震動によって壁面構造物と流体が相互作用する連成振動であり、貯水槽の損傷を引き起こす。バルジングは2022年に新たな指針に規定されたばかりであるため、既存の貯水槽に関しては発生の有無を判断するための手法の構築が不可欠である。 本研究では、ステンレス製パネルタンクでバルジングの被害が発生するとされる10Hz以下の固有振動数を持つと考えられる実機タンクを対象に、微動計観測を行うと伴に、平行して固有振動数解析を行い、両者の結果からタンステンレス製クのバルジングの固有振動数を推定を実施した。その結果、両者から算出したバルジング固有振動数はほぼ一致し、対象のステンレス製パネルタンクでバルジングが発生する可能性が判明した。また、本微動計観測手法は10Hz以下の固有振動数を持つとされるステンレス製パネルタンクに特に有効であることが示された。 次に本研究では、既存の実機ステンレス製タンクにおいて申請者らの実績のある計測方法で得られたバルジング固有振動数との正弦波を入力加速度とする時刻歴応答解析を行う。ここでの解析はバルジングによる最も厳しい条件とされる、加振軸とタンク壁面が直角になる方向に加振する。これにより解析結果から得られた壁面に生ずるvon Mises応力の影響を比較し、ここで取り上げるステンレス製タンクのバルジングによる耐震上の問題点を明らかにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微動計観測から得られたスペクトルから側壁の固有振動数であると判定した固有振動数が、バルジング現象の原因となるモードの固有振動数と一致するかを確認するため固有振動数解析を平行して行ってきた。両者の結果から得られた固有振動数を比較し、対象の実機貯水槽の側壁の固有振動数を推定し、バルジング発生の可能性についての判定を行う事までおこなっている。 順調に計画通り推移している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で取り上げた実機SUSタンク,長辺壁面での中央部や隅角部において、パネル接合部での剥離や斜め補強材溶接部分における座屈の可能性があり、SUSタンクではバルジングによる被害の発生の可能性が考えられる。そのため、制振装置を取り付ける等のバルジングに関する対策が必要である。 今後の研究では、地震波を入力加速度とする時刻歴応答解析を同様に行い、正弦波加振時の解析結果との比較を行う。また、地震波加振時の解析結果から得られたvon Mises応力の結果とステンレス材の許容応力との差を比較、また応力時刻歴から応力の発生頻度を確認することでバルジングから受けるSUSタンクへの影響を詳細に検討を行う予定である。
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