研究課題/領域番号 |
23K04020
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 昌治 北海道大学, 工学研究院, 助教 (10250474)
|
研究分担者 |
河野 勝宣 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (60640901)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 礫-ベントナイト混合土 / 透水試験 / 膨潤圧測定 / 変水位法 / トランジェントパルス法 / 透水係数 / 比貯留率 / 礫砂ベントナイト混合土 / 室内透水試験 / 放射性廃棄物埋設処分 |
研究開始時の研究の概要 |
低レベル放射性廃棄物の浅地中処分における覆土の移流特性の評価を目的とし,礫砂ベントナイト混合土の透水試験と膨潤圧測定を実施する.まず変水位透水試験の理論解を整理し,移流特性の指標となる2つの水理定数(透水係数と比貯留率)を同時に評価する手法を提案する.次に材料の種類と配合率を変えた供試体を準備し,実際に透水試験を実施して水理定数を評価する.礫砂ベントナイト混合土の移流特性はベントナイトの膨潤に支配されるので,ベントナイトの配合率や型の異なる供試体の膨潤圧測定を実施し,供試体の空間充填率をX線CT撮影により評価して,混合土の膨潤モデルを作成し,礫砂ベントナイト混合土の遮水性について考察する.
|
研究実績の概要 |
室内透水試験法の理論に基づき,変水位法とトランジェントパルス法の解析解について検討した。解析解としては近似解と厳密解を取り上げ,それらの違いを明らかにした。従来地盤工学で実施されてきた透水試験では比貯留率を無視した近似解が適用されてきたが,浅地中における水理水頭の時間的な変動を考慮すると,透水係数のみではなく比貯留率も考慮した厳密解の適用が必要であることを示した。そして,実験データから透水係数と比貯留率の両方を同時に評価する手法を確立した。また,理論面から試験装置と供試体の仕様について考察した。 ベントナイト混合土試料としては,上記の考察からもっともシンプルな礫-ベントナイト混合土を採用した。礫-ベントナイト混合土の供試体は,検討した結果,礫の量を一定とし,それに対するベントナイトの量を0~20%と変化させることにした。上記の検討結果から,供試体サイズは礫の最大粒径の5倍程度となるように設定した。 変水位透水試験とトランジェントパルス透水試験が実施可能な室内透水試験装置を製作した。ベントナイトの混入量の違いにより,低透水性から比較的高い透水性まで幅広い透水性が予想されるため,装置には差圧計を設置して,水頭差(差圧)データを精度よく自動的に取得した。得られた透水試験データを近似解と厳密解を用いて非線形最小二乗法によりデータ解析し,厳密解では透水係数と比貯留率の両方を解析精度を含めて評価した。 同時進行で,礫-ベントナイト混合土の膨潤特性の評価も行った。膨潤圧測定用に簡便な装置を複数個製作し,透水試験で用いたものと同じ供試体を用意し,ベントナイトの配合比の異なる複数の供試体の自然吸水による膨潤圧の経時変化を測定した。測定結果にはベントナイトの配合比の違いが顕著に表れた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要のとおり,おおむね計画通り進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度は,実験装置を製作し,予備試験的に実験を実施した。2年目以降は,室内透水試験と膨潤圧測定を必要であれば改良を加えて本格的に実施する。また,ベントナイト混合土の内部構造評価を実施することで,透水特性と貯留特性,ならびに膨潤特性との関係について考察する。最終的には,ベントナイトの膨潤モデルを礫を含めたベントナイト混合土全体の膨潤モデルに拡張し,ベントナイト混合土の膨潤と水理定数の変化との関係を導き出す.
|