研究課題/領域番号 |
23K04042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
葛葉 泰久 三重大学, 大学院生物資源学研究科, 教授 (50373220)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 積雪深 / d4PDF現在気候 / d4PDF将来気候 / 年最大値資料 / 非毎年値資料 / 一般化パレート分布 / 降水量の母集団 / 非定常 / T年確率水文量 / 将来予測 / 治水計画 |
研究開始時の研究の概要 |
最近「T年に1回の豪雨」がT年に1回ではなく,かなり頻繁に生起するようになってきた.つまり河川整備計画等の立案時に使う「T年に1回の豪雨や洪水」というような「計画の目標」の考え方が崩れてきている.問題解決に役立つ成果も報告されており,多くの研究者が「気候変動による豪雨の増加」をシミュレーションで求め,その将来予測値を用いて「将来のT年確率水文量」を算定しようと考えている.だが将来予測値は「将来の想定気候シナリオ」によって変わるなど,今提案されている手法には色々と欠点がある.本研究では「気温や豪雨の将来予測が多少変わっても困らない」かつ「住民がわかりやすい」「目標の設定・提示方法」を開発する.
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研究実績の概要 |
まず計画を記述し,その次に実績を記述する. 【計画】A. d4PDF現在気候を用いた検討を行う.d4PDFデータを,年が進むにつれて豪雨が多くなる極値降雨量の母集団と考え,T年確率降雨量がどのように変化するのかを確認する.B. 立川らの業績を参考に,パラメータが時間変化する確率分布を用い,極値データのモデル化を行う.もちろん,立川らの理論を発展させた新しい考え方の構築を目指す.C. 【3年間で何をするか】の②に関し,「少しずつ変化する目標値」を使うことの是非について理論的背景を確立する.つまり,「将来気候シナリオ」,具体的には「上昇温度」を如何に確率変数として評価し,上述⑤の「将来的に120mmに達する確率が●%で」というような計算をするかという理論を構築する.【/ここまで計画】 【実績】まずAについては,降水量を用いて,気候データがもはや定常とみなせないことを再確認した後,d4PDFデータの現在気候データ,将来気候データ(4度上昇実験)のうち,積雪深データを用い,日本では,将来的に雪がかなり減ることを,つまり100年確率積雪深などが随分小さくなることを確認した(EGUで発表を行った).これにより,気候データが,もはや定常とみなせないことを再々確認した.Bについて,この分野で良く用いられる,確率・統計的手法について,特に本邦の手法を中心に,様々な手法をレビューし,レビュー論文にまとめた.とくに,今までよく用いられてきた「年最大値資料」を用いた手法だけでなく,「非毎年値資料」を用いた形跡手法について,様々な検討を行った.Cについては,現在検討中で,進捗状況としては,若干遅れている.【/ここまで実績】
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のように(「研究実績の概要」で記述したように)今年の計画には,A, B, Cの3つの目標があったが,Cについて,年度内に完成しなかった.令和6年度に取り返すべく努力する.
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今後の研究の推進方策 |
そもそもの「当初計画」に変更はない.つまり,「交付申請書」に記述した内容を,そのまま実現すべく,あと2年間研究を進める.「交付申請書」に記述した内容のうち,最も重要なのは,河川計画策定のおいて,<「気温や豪雨の将来予測が多少変わっても困らない」かつ「住民がわかりやすい」「目標の設定・提示方法」を開発する.> ということである.「交付申請書」には,<「過去のデータから,現在の100年確率雨量は100mmであるが,将来的に120mmに達する確率が●%で,その値は将来この“予報円・予報進路”で示すように変わってゆく見込みである」と提示する.> というような一つの案(手法)が提示してあるが,この考えは変わらず,これを中心に新しい手法を提案する所存である.
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