研究課題/領域番号 |
23K04045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
三輪 浩 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70190832)
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研究分担者 |
和田 孝志 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (60832996)
梶川 勇樹 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (70432606)
原田 守啓 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (00647042)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 礫床河川 / 土砂供給 / 覆砂 / 置土 / 河床変動 / 流路変動 / 河床変動計算 / 流砂 |
研究開始時の研究の概要 |
ダムの下流域における河床砂礫の粗粒化や,中・下流域における澪筋の深掘れや流路の固定化等が進行する例がしばしば見られる.このような河道を対象として,置土や覆砂を行うことで河床の砂礫移動を活性化させ,河床変動や流路変動を促進させる条件と効果について水路実験と数値解析により検討する.とくに,置土や覆砂の質と量および流量等が河床・流路の変動に及ぼす影響を把握する.また,再現計算を通して数値モデルの精度向上についても検討する.
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研究実績の概要 |
ダム下流の河川では河床砂礫の粗粒化などによって固定化が進行している例が見られる.また,中流域に及ぶ河川でも流量や土砂量の減少によって澪筋が固定化して河道の二極化につながる例も見られ.これらの対応が求められている.本研究は,河道への土砂の供給が砂礫の移動と流路変動に及ぼす影響を調べ,効果的な土砂供給の運用について検討するものである.本年度は,蛇行低水路を有する礫床河道を想定して高水敷への覆砂が礫の移動と河床変動および流路変動に及ぼす影響について検討した.また,澪筋の発達により固定化した河道への置土がその侵食・流送によって下流河道の変動に及ぼす影響の検討と数値計算による実験の再現性の検討を行った.これらの研究で得られた主要な結果を以下に要約する. 1.蛇行低水路を有する礫床河道への覆砂は活発な礫移動を誘発し,低水路肩の侵食による低水路幅の拡大と砂礫の低水路への流入・堆積による低水路の河床上昇によって流路が変動する.なお,低水路幅の拡大は覆砂層厚に比例する傾向にあるが,低水路の河床上昇は覆砂層厚が大きい場合は低水路での活発な砂礫輸送によって抑制される.ただし,現時点では覆砂層厚と低水路の河床上昇の関係は明確になっていない. 2.蛇行低水路は内岸側の低水路肩の侵食が外岸側よりも顕著である.これは,上流から流送される覆砂の砂は外岸部に関しては低水路に流入するのに対して内岸側に関してはそこの侵食を促進させるためである. 3.安定した澪筋を有する河道への置土はその侵食土砂が下流に堆積して砂州を発達させ,これによって流路が変化して流路変動を促進させることが確認された.ただし,砂州が発達するためには置土下流の低水路に一定程度の幅が必要であることも判明し,この条件検討の必要性が示唆された.また,実験を再現する数値計算については,砂州の侵食過程の再現性に課題があり,モデル改良の必要性も確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
覆砂については水路実験は当初の予定通り進んでいるが,数値計算は準備段階に止まっており成果は出ていない。一方,置土については前倒しで実施し,実験については一定の成果を得ることができた.また,数値計算も実施し再現性の課題点も明確になっている.
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今後の研究の推進方策 |
覆砂については,さらに実験条件を追加するとともに,昨年度実施できなかった数値計算を実施する。一方,置土についても実験条件を追加するとともに,数値計算モデルの改良を行って実験の再現性の向上を目指す。
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