研究課題/領域番号 |
23K04052
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
太田 琢磨 気象庁気象研究所, 応用気象研究部, 主任研究官 (70962314)
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研究分担者 |
小林 健一郎 神戸大学, 都市安全研究センター, 准教授 (60420402)
大泉 伝 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 研究官 (00649569)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 洪水予測 / 粒子フィルタ / ガウス過程回帰 / 流域雨量指数 / 中小河川 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、急激な水位上昇を特徴とする中小河川に適した洪水予測手法を開発する。具体的には、土壌水分と粗度係数を対象とした粒子フィルタに、回帰分析の1つであるガウス過程回帰を組み合わせて、モデル状態量・パラメータの補正量を学習・予測し、それらを予測計算時に作用させることで、期間後半の予測精度を向上させる。これにより、これまで困難とされた中小河川における6時間程度先までの高精度な洪水予測を実現し、急激な水位上昇に対しても余裕を持った避難行動をとれるようにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
データ同化の1つである粒子フィルタは、近年、大河川の洪水予報で実用化が進む一方、急激な水位上昇を特徴とする中小河川については、予測時間が長くなるにつれて同化の効果が急速に失われて予測精度が低下するという課題がある。 本研究では、洪水予測に適用する粒子フィルタに、回帰分析の1つである「ガウス過程回帰」を導入し、急激な水位上昇を特徴とする中小河川に適した実用的な予測手法を開発する。これにより、これまで困難とされた中小河川における6時間程度先までの高精度な洪水予測を実現し、急激な水位上昇に対しても余裕を持った避難行動をとれるようにすることが本研究の目標である。 令和5年度は、まずはじめに気象庁の現業洪水予測モデルである流域雨量指数に対して、粒子フィルタによる水位データ同化を実装した。次に、特定の中小河川を対象としたケーススタディを行い、粒子フィルタの実装によって、①水位の再現性の向上、②1時間先の予測精度の向上、③水位観測地点以外での同化の効果、④キキクル(危険度分布)の精度改善等がみられることを確認した。 次年度以降は、粒子フィルタを用いた洪水予測手法として、ガウス過程回帰を用いてモデルパラメータの変動を学習・予測し、それを予測計算に反映させる手法を開発する予定である。また、複数の河川・事例で検証を行い、本手法の有効性を確認するとともに、急激な水位上昇を特徴とする中小河川のリードタイムをどこまで延ばすことができるか明らかにしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の通り、洪水予測モデルへの粒子フィルタの実装に関する開発が完了し、ケーススタディではあるが、開発したモデルによって精度が向上することを確認することができた。また、これら成果を学会で発表することができた。 以上により、本研究課題は、”おおむね順調に進展している”とした。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画の通り、粒子フィルタを用いた洪水予測手法として、ガウス過程回帰を用いてモデルパラメータの変動を学習・予測し、それを予測計算に反映させる手法を開発する。 複数の河川・事例で検証を行い、本手法の有効性を確認するとともに、急激な水位上昇を特徴とする中小河川のリードタイムをどこまで延ばすことができるか明らかにする。
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