研究課題/領域番号 |
23K04057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 秀樹 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00597809)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 交通流シミュレーション / 群衆シミュレーション / パーソナルモビリティ / 混合交通 / マルチエージェントシステム / セルオートマトン / 都市計画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,特定小型原動機付自転車と歩行者との相互作用をシミュレーションによって明らかにするため,具体的には,[1]歩道を走行する特定小型原動機付自転車(personal mobility vehicle, PMV)の微視的シミュレーションモデルの確立,[2]PMVの広域移動のためのハイブリッドシミュレーションモデルの構築,[3]交通主体同士の相互作用にもとづく都市交通空間の評価,の3つに取り組む.
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研究実績の概要 |
本研究では,特定小型原動機付自転車(personal mobility vehicle; PMV)が他の交通主体と相互作用しつつ,モードを切り替えながら実地域を模した都市交通空間を走行する挙動をシミュレーションで再現し,あらたな交通システムにより得られる効用や生じうるリスクを定量的に議論することを目的とする.この目的を達成するのに必要なのは「①歩道を走行するPMVの微視的シミュレーションモデルの確立」,「②PMVの広域移動のためのハイブリッドシミュレーションモデルの構築」,「③交通主体同士の相互作用にもとづく都市交通空間の評価」,である.研究初年度である2023年度は以下の成果を得た. 「①歩道を走行するPMVの微視的シミュレーションモデルの確立」において,まずPMVの影響を受ける歩行者のシミュレーションモデルを整備した.既存モデルであるsocial force model(SFM)を基盤とし,まず歩行者間にはたらく集団的な力を導入することで実験の再現性を高めた.そのうえで,やはりSFMを拡張した二輪車モデル,平行二輪車モデルを追加してシミュレーション環境を整備した.加えて,複雑な形状を持つ歩道空間のモデル化,歩道空間における経路決定戦略のモデル化,交通主体の待機挙動のモデル化の研究に着手した. 「②PMVの広域移動のためのハイブリッドシミュレーションモデルの構築」,「③交通主体同士の相互作用にもとづく都市交通空間の評価」においては,先行して研究開発をおこなっている自動車のシミュレーションモデルの改良を実施し,精度と計算効率の向上を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
自動車のハイブリッドシミュレーションモデルに関する英文論文が国際学術雑誌に掲載された.これは「②PMVの広域移動のためのハイブリッドシミュレーションモデルの構築」,「③交通主体同士の相互作用にもとづく都市交通空間の評価」に関する重要な進捗である.また「①歩道を走行するPMVの微視的シミュレーションモデルの確立」においては,得られた成果の一部はすでに国内の学術講演会で複数回発表済みであり,2024年度にも発表が予定されている.加えて,国際会議の査読付きトラックに採択が決定しているとともに,英文論文を投稿準備中である.以上より,研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進捗しており,当初の予定どおり研究を進める.とくに2024年度は「①歩道を走行するPMVの微視的シミュレーションモデルの確立」において,複雑な歩道空間の表現とその空間におけるエージェントの相互作用ルールのモデル化の研究を推進し,再現性と計算効率に関する議論をおこなう.「②PMVの広域移動のためのハイブリッドシミュレーションモデルの構築」,「③交通主体同士の相互作用にもとづく都市交通空間の評価」においては先行する自動車シミュレーションモデルを応用したハイブリッドシミュレーションモデルの構築ならびに混合交通のモデル化に着手する.
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