研究課題/領域番号 |
23K04067
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
多田 昌裕 近畿大学, 情報学部, 准教授 (40418520)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢ドライバー / ドライバーモニタリング / 運転技能評価 / 交通IoT / 安全運転支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,スマートフォン端末のインカメラを用いて運転中の視線や安全確認行動をリアルタイム計測可能なドライバーモニタリング技術とIoTを組み合わせ,車両情報だけでなくヒューマンエラーを起こす主体である「人」の情報もIoTで計測・収集し,高齢ドライバーの日常生活運転を見守り・安全運転支援を図る交通IoTシステムの研究開発を行う.交通IoTで収集した日常生活運転行動データから実世界で事故リスクが高まる状況,場所を抽出しドライバーに情報提供を行うとともに,ドライバーの周辺監視状況をリアルタイムでモニタリングし,周辺監視レベル低下の兆候があれば情報介入することで,高齢者の安全運転支援を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,スマートフォン端末やドライブレコーダに搭載のカメラを用いて運転中の視線や安全確認行動をリアルタイム計測可能なドライバーモニタリング技術とIoTを組み合わせ,車両情報だけでなくヒューマンエラーを起こす主体である「人」の情報もIoTで計測・収集し,高齢ドライバーの日常生活運転を見守り・安全運転支援を図る交通IoTシステムの研究開発を行う.交通IoTで収集した日常生活運転行動データから実世界で事故リスクが高まる状況,場所を抽出しドライバーに情報提供を行うとともに,ドライバーの周辺監視の状況をリアルタイムでモニタリングし,周辺監視レベル低下の兆候があれば情報介入することで,超高齢社会における運転見守り・日常運転支援を目指す. 初年度は,カメラで撮影したドライバー映像に対して,顔表面の特徴量抽出に基づく顔向き角度推定手法に加え,広範囲な頭部姿勢の学習により頭部の回転行列を直接推定可能な手法,2種類の深層学習手法を適用し,運転中のドライバーの顔向き角度を計測可能なドライバーモニタリング技術を開発した.さらに,高齢者30名の自家用車に車内と車外両方の映像が撮影可能な2眼式のドライブレコーダを設置し,約1カ月間の日常生活運転行動を計測する実験を実施し,データ蓄積を行った.また,計測した日常生活運転行動データのうち,先行的に10名分(合計201時間,総走行距離3,354km)のデータを解析した結果,高齢者は特に生活道路の一時停止規制なし交差点において,右左折時に進行方向を注視する傾向が認められたほか直進時に高齢者特有の出会い頭事故のリスクを高める運転をするなど,事故リスクが高まる状況が生起しやすいことが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドライバーモニタリング技術の基本的な技術開発は完了したほか,先行的に高齢者の日常生活中の運転行動データ計測実験を実施し,30名分のデータを収集できている.また,収集した日常生活中の運転行動データを解析し,高齢者は生活道路の無信号交差点で事故リスクを高めるような行動をする傾向にあることを明らかにするなど,超高齢社会における運転見守り・日常運転支援に資する知見の蓄積が進んでいるため.
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今後の研究の推進方策 |
実験参加者の数を増やして高齢者の日常生活中の運転行動データの拡充に努めるほか,どのような情報提供をすれば高齢者の行動を安全方向に変容させることができるか,教習所指導員の知見を導入しつつ検討し,システム上に実装する.
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