研究課題/領域番号 |
23K04070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
有村 幹治 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (40548062)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エッジAI / クラウドAI / 機械学習モデル / ミクロ交通シミュレーション / 移動支援プラットフォーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では積雪寒冷地域におけるリアルタイム道路交通移動支援プラットフォームの開発を行う。カメラ動画から得られた道路状況をリアルタイムに解析できるエッジAIを開発する。またエッジAIから得られる大量の各種特徴量を用いた交通流シミュレーションを実施し、シミュレーションを近似する機械学習モデルをオフライン学習により構築する。そのうえでクラウド上に構築された機械学習モデルを実装し(クラウドAI)、実際の道路空間上にあるエッジAIとオンライン接続することで、短期的な冬期道路状況の予測をリアルタイムに行うシステムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では積雪寒冷地域におけるリアルタイム道路交通移動支援プラットフォームの開発を行う。具体には、道路状況を表す各種の特徴量を把握できる動画解析プログラムを小型シングルボードコンピュータに搭載し、カメラ動画から得られた道路状況をリアルタイムに解析できるエッジAIを開発する。次にエッジAIから得られる大量の各種特徴量を入力値とした交通流シミュレーションを実施し、大量の入力値に対する出力値をデータセットとして整理したうえで、交通流シミュレーションを近似する機械学習モデルをオフライン学習により構築する。そのうえで仮想空間(クラウド)上に構築された機械学習モデルを実装し(クラウドAI)、実際の道路空間上にあるエッジAIとオンライン接続することで、短期的な冬期道路状況の予測をリアルタイムに行うシステムを開発する。最後にApplication Programming Interface(API)を介してクラウドAIと車両や道路付属インフラを協調させる方法の実現可能性について検討する。 本研究は、1)道路交通流を動的に観測するカメラ画像解析技術の開発,2)交通シミュレーションを用いたアンサンブルデータの生成と機械学習モデルの適用,3)機械学習モデルのクラウド上での実装とエッジAIとのAPI接続,以上のサブテーマにより構成される。 令和5年度は上記中、サブテーマ1)及び2)について研究を進めた。具体には物体検知アルゴリズムを用いた交通流解析技術の基礎的検討、及びミクロ交通シミュレーションを近似した機械学習モデルの構築を行った。特に物体検知アルゴリズムにより得られる交通量データの誤差が機械学習モデルによる渋滞予測に与える影響を定量的に評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は主に物体検知アルゴリズムを用いた交通流解析技術の基礎的検討、及びミクロ交通シミュレーションを近似した機械学習モデルの構築を行った。 道路交通状況の観測データを入力値、渋滞長や渋滞時間を出力値として、追従モデルを用いた交通流シミュレーションを構築し、現状再現性を確認した後に大量のシミュレーションを実行した。得られた出力値から、入力・出力関係が記述されたデータセットを構築し、このデータセットを教師データとして機械学習モデルを構築した。これにより将来渋滞予測を短時間で実行することが可能となった。 また物体検知アルゴリズムの判別性能に関しては、気象状況等の影響により誤差が発生することが既往研究で明らかになっているが、観測上の誤差が機械学習モデルによるリアルタイム渋滞予測にどの程度の影響を与えるのかについては評価されていなかった。そこで物体検知アルゴリズムにより得られる交通量データの誤差が、機械学習モデルによる渋滞予測に与える影響を定量的に評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はAIを活用した交通流調査方法の有用性を現地での人手観測との比較から検証するとともに、雨雪・積雪・路面状態・吹雪・視程等の冬期道路特有の観測条件における課題について明らかにする。 また機械学習モデルをクラウド上に実装するための検討をすすめる(クラウドAI)。交通流シミュレーションの実行には数分の時間を要するが、機械学習モデルに置き換えることで大幅に予測時間を短縮化できる。エッジAIにより、車種別交通量・大型車混入率・右折確率等を画像からリアルタイムに計測し、APIを介してクラウド上に送信する。送信された各種交通データをクラウドAIで処理し短期的な渋滞予測を行う予定である。
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