研究課題/領域番号 |
23K04088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
多田 悠人 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (70943611)
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研究分担者 |
越後 信哉 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70359777)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 消毒副生成物 / 超親水性溶存有機物 / 親水性相互作用クロマトグラフィー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最終目標は,極めて親水性の高い溶存有機物(超親水性溶存有機物)の消毒副生成物生成能を体系的に評価し,安全な水道水として必要とされる処理レベルを示すことである。令和5年度は,超親水性溶存有機物の抽出方法の高度化および消毒副生成物一斉分析手法,超親水性画分のさらなる分画法を構築する。令和6年度は,複数の水域で採水した水道原水中の超親水性溶存有機物の消毒副生成物生成能プロファイル(各消毒副生成物の濃度とそのパタン)を得る。令和7年度は,実際の浄水施設内での超親水性溶存有機物の動態を把握し,処理が必要とされる超親水性溶存有機物の特徴的な化学構造を示す。
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研究実績の概要 |
本研究の最終目標は,超親水性溶存有機物の消毒副生成物生成能を体系的に評価し,必要とされる処理レベルを示すことである。2023年度は消毒副生成物の分析手法の開発,超親水性溶存有機物に由来する消毒副生成物生成能の評価手法の検討を行った。加えて,超親水性溶存有機物の分画法の検討を行った。 具体的な成果は以下通りである。まず,本研究で対象とする消毒副生成物であるトリハロメタン類,ハロ酢酸類,ハロアセトニトリル類(塩素化体・臭素化体を含む)の定量方法を開発した。特に,ハロ酢酸類,ハロアセトニトリル類に関して,煩雑な前処理を必要としないLC-MS/MSを用いた直接注入による簡便で迅速な定量法を開発した。次に,超親水性溶存有機物との分離が困難な臭化物イオン存在下における,消毒副生成物生成能の評価手法を検討した。琵琶湖・淀川水系の複数地点で採取した環境水に臭化物イオンを加え塩素処理を行ったところ,個々の消毒副生成物生成量は大きく変動したが,分子内のハロゲン原子数で分類した各カテゴリー(モノ・ジ・トリ体の3種類)内の合計濃度は一定であることが分かった。分画前後や採水地点において変動する溶存有機物と臭化物イオンの濃度比に関係なく使用できる本手法は非常に有用である。最後に,超親水性溶存有機物の特性解析手法として,限外ろ過膜(3-100 kDa)や固相抽出(陽イオン交換および陰イオン交換カートリッジ)を用いた分離手法の検討を行った。超純水を用いたブランク試験により,これら手法に起因する溶存有機物量および消毒副生成物生成能への影響がないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は,トリハロメタン類,ハロ酢酸類,ハロアセトニトリル類(塩素・臭素化体を含む)の定量方法を確立し,夾雑物の存在下でも超親水性溶存有機物に由来する消毒副生成物生成能を評価する手法を確立した。また,限外ろ過膜や固相抽出を用いた分離手法を確立し,超純水を用いたブランク試験において塩素処理などの後続の実験に本分離手法が影響を与えないことを確認した。次年度以降に行う超親水性溶存有機物の消毒副生成物生成能の把握や特性解析に必要な実験・評価手法の整備が完了した。以上より,今年度は実施計画に沿っておおむね順調に研究を遂行することができたと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画では,2024年度は,複数の水域で採水した水道原水中の超親水性溶存有機物の消毒副生成物生成能プロファイル(各消毒副生成物の濃度とそのパタン)と共存物質が消毒副生成物に与える影響を評価し,2025年度は実際の浄水施設内での超親水性溶存有機物の動態と除去特性および各浄水プロセス前後での副生成物生成能プロファイルを得ることとしている。ここまでは順調に計画を進めることができており,引き続き予定通りに研究を遂行する予定である。
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