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医療施設における水道蛇口整流器の取り扱い標準化の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23K04092
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分22060:土木環境システム関連
研究機関宮崎大学

研究代表者

高城 一郎  宮崎大学, 医学部, 准教授 (20418841)

研究分担者 力武 雄幹  宮崎大学, 医学部, 助教 (00972093)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード水道蛇口整流器
研究開始時の研究の概要

当院において、病院大規模再整備後にM.paragordonaeおよびM.gordonaeの臨床検体からの検出増加を認め、症例の検討から発症者はなかったが、水道蛇口整流器より高頻度に同菌が
検出された事例を経験し、医療機関の水系システムには潜在する非結核性抗酸菌などの感染リスクが存在することを認識した。また、近年、病院内の水系システムによる感染事例の報告は少なくない。整流器の取り扱いに関するガイドラインはまだない。院内感染対策に反映できるようなエビデンスの構築が望まれるが、医療施設における水道蛇口整流器の取り扱いの標準化を確立するための研究を立案した。

研究実績の概要

本研究の目的は、整流器の取り扱いに関するガイドラインはまだないため、医療施設における水道蛇口整流器の取り扱いの標準化を確立することである。非結核性抗酸菌は、土壌や水などの環境に存在し、人への病原性は極めて低いと言われている。しかし、まれではあるが、非結核性抗酸菌を起炎菌とする感染症例も報告されていることから、免疫不全患者の診療にあたる医療施設においては注意が必要である。現在、当院では水道蛇口整流器は微生物増殖の足場となる可能性があるため、整流器は外したままになっている。そのため、医療施設における水道水の非結核性抗酸菌汚染の実態、整流器との関連や防止方法を見出し、より良い感染対策の推進に貢献することができるようになることである。

現時点での研究の成果は以下の通りである。
IR Biotyper を使用して菌株間の相同性を評価した結果、整流器(環境由来)と臨床検体(患者由来)の相同性が一部に見られた。整流器を再装着して検討した結果、M.paragordonaeおよびM.gordonaeが検出された。微生物増殖の足場となりにくい素材の整流器があるのか検討した結果、銅は有効性がある可能性があるが、メッキの問題や現実的な導入の難しさがある。水道蛇口に深紫外線照射装置を装着することの有効性が認められたが、装着場所や経済性も考慮する必要がある。整流器の撤去、ペットボトル水の使用、および抗酸菌検査前に水道水でうがいを行わない指導の徹底により、入院患者検体におけるM.paragordonaeおよびM.gordonaeの検出が激減している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

IR Biotyper を使用して菌株間の相同性を評価した結果、整流器(環境由来)と臨床検体(患者由来)の相同性が一部に見られた。整流器を再装着して検討した結果、M.paragordonaeおよびM.gordonaeが検出された。微生物増殖の足場となりにくい素材の整流器があるのか検討した結果、銅は有効性がある可能性があるが、メッキの問題や現実的な導入の難しさがある。水道蛇口に深紫外線照射装置を装着することの有効性が認められたが、装着場所や経済性も考慮する必要がある。整流器の撤去、ペットボトル水の使用、および抗酸菌検査前に水道水でうがいを行わない指導の徹底により、入院患者検体におけるM.paragordonaeおよびM.gordonaeの検出が激減している。

今後の研究の推進方策

水道水は無菌ではなく、非結核性抗酸菌は水道水の残留塩素濃度(0.1mg/L)に対して抵抗性を示す。水道水を介した非結核性抗酸菌の感染事例やpseudo-outbreakの報告が散見される。M.paragordonae は弱毒菌であるが、症例報告レベルでは発症例がみられるため、免疫不全患者では注意が必要である。
今後、整流器の再装着を行うかどうか。再装着する場合、どれくらいの間隔で清掃や消毒を行うべきか。微生物増殖の足場となりにくい素材の整流器があるか。水道蛇口に深紫外線照射装置付器機を取り付けることで問題を解決できるか、などについてさらに検討していく。
水道蛇口整流器は微生物増殖の足場となる可能性があるため、病院での使用については十分な注意や対策の検討が必要であると考えている。整流器の取り扱いに関する具体的なガイドラインはまだ存在しておらず、院内感染対策に適用できるようなエビデンスの構築を目指す。これらの方策を推進することで、医療施設における感染リスクを低減し、より安全な環境を提供することが期待される。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Mycobacterium paragordonae の臨床検体と整流器由来の菌株間の相同性評価2023

    • 著者名/発表者名
      髙城一郎、力武雄幹、川口剛、 住吉誠、宮崎泰可
    • 学会等名
      第91回日本呼吸器学会・日本結核 非結核性抗酸菌症学会 九州支部 秋季学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 水道蛇口整流器が関与したと考えられたMycobacterium paragordonaeのPseudo-outbreak事例とその対策2023

    • 著者名/発表者名
      髙城一郎
    • 学会等名
      第154回バルブ工業会保証小委員会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] INFECTION CONTROL2024

    • 著者名/発表者名
      髙城一郎
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      メディカ出版
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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