研究課題/領域番号 |
23K04110
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
小澤 雄樹 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (50388120)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 木造 / ラーメン / 接合部 / 3Dプリンタ / 継続利用 / 大地震 / 木造ラーメン / 仕口 / 木造住宅 |
研究開始時の研究の概要 |
木造ラーメン構造は自由度の高い構造システムであるが、接合部では剛性の高い金物と接する木材部分に応力が集中し、この局所的な損傷がシステムとしての耐力を決定してしまう。 本研究では、大地震時に木材に大きな損傷を発生させることなく地震発生後も継続利用可能な新たな木造ラーメン構造の開発を目的とする。仕口パネル作成には3Dプリンタを用いることで、安価かつ木材加工では困難であった複雑な形状も実現可能である。中地震には溝同士の噛み合わせと摩擦力により必要な剛性を発揮し、大地震時には溝同士を滑動させることで変形性能を確保し、損傷を抑制するシステムとして開発する。
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研究実績の概要 |
木造ラーメン構造は自由度の高い構造システムであるが、接合部では剛性の高い金物と接する木材部分に応力が集中し、この局所的な損傷がシステムとしての耐力を決定してしまう。本研究では、木材に大きな損傷を発生させることなく大地震発生後も継続利用可能な新しい木造ラーメンのための仕口パネルの開発を目的とする。仕口パネル作成には近年普及している3Dプリンタを用いることで、複雑な形状でも安価に製造可能である。 本研究の期間は3か年とし、①令和5年度:仕口パネル形状の解析的検討、②令和6年度:パネル樹脂の材料試験と木材との接着方法の検討、③令和7年度:接合部曲げ実験と性能評価、の3段階に分けて研究を進める。 研究期間初年度である令和5年度は、パネル作成に用いる3Dプリンタの調査と選定、3Dプリンタによるモデルの制作と精度検証、パネル形状の検討を実施した。導入した3Dプリンタを用いて様々なモデルの試作を行い、充填率と製作スピードの関係、製作精度等を確認した。 パネルを3Dプリンタで製作する手法とは別に、広葉樹を用いる手法についても検討を進める。広葉樹は構造材料としては一般的に利用されていないが、本研究で対象とする木造ラーメンの接合部に局所的に用いるのであれば利用可能性が高いと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3Dプリンタについては様々な製品が各社により提供されているが、製作精度と製作速度、製作可能サイズと取り扱い可能な樹脂の種類等を鑑みて、FRASHFORGE社製のGuider3を選定し導入した。本3Dプリンタを用いて様々なモデルの試作を行い、充填率と製作スピードの関係、製作精度等を確認した。実際に実寸のパネル(充填率75%)を試作したところ、製作時間は1枚当たり10時間弱かかるが、ゆがみもなくかなり高い精度で製作可能であることを確認した。 パネル形状については適宜解析的検討を進めているが、接触非接触・材料非線形性・大変形を同時に考慮した極めて複雑なシミュレーションとなるため、最終的な解析モデル作成に時間がかかっており複数のモデルを作成して比較検討するまでには至っていない。現在、実験準備と並行して解析的検討を進めている段階である。 また、パネルを3Dプリンタで作成する手法と並行して、広葉樹を用いて検討する手法についても検討している。広葉樹は針葉樹と比較して高強度で剛性も高いが、一般的に高価で加工に手間がかかるため建築構造材料としては用いられない。しかし、本研究のように応力のかかる接合部に局所的に用いる場合は利用可能性があると考えている。今年度は広葉樹パネルを用いて実際に試験体を作成し、接合部曲げ実験を実施して多くの知見を得た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はパネル形状に関する解析的検討を継続的に進めると同時に、3Dプリンタ樹脂の材料試験、パネルの製作、接合部曲げ実験を実施する。実験についてはこれまで同様の実験を複数回実施した経験があるので、問題なく進めることが出来ると考えている。
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