研究課題/領域番号 |
23K04112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
丸田 誠 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30416763)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | プレストレストコンクリート / 鋼繊維 / 有孔梁 / 耐震性状 |
研究開始時の研究の概要 |
中地震に対しての損傷制御、大地震に対しての安全性確保のために、鋼繊維コンクリートを用いたプレストレストコンクリート有孔梁の性状を、構造実験と非線形有限要素解析を通して明らかにし、構造設計法の提案につなげてゆく。具体的には6体の因子を変えた構造実験を行い、各段階でせん断力、変形、ひび割れ幅や鋼材のひずみなどを評価し、せん断設計用法を提案してゆく。実験で行えなかった因子は、非線形有限要素解析でフォローし設計法を充実させる。
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研究実績の概要 |
中地震に対しての損傷制御、大地震に対しての安全性確保のために、鋼繊維コンクリートを用いたプレストレストコンクリート有孔梁の性状を、構造実験と非線形有限要素解析を通して明らかにし、構造設計法の提案につなげてゆく。2023年度は、実物の1/2縮尺試験体4体の製作と実験を行った。2体は鋼繊維入りの試験体を残りの2体は鋼繊維無しとして、その比較を行う。各2体のうち1体を開口付きの有孔梁、他を無孔梁とした。鋼繊維は、径0.6mm長さ30㎜のものを体積比で1%混入した。混入は、コンクリートアジテーター車に直接行い打設した。コンクリート強度は36N/mm2,PC鋼棒による有効率は0.31とした。実験は、せん断破壊型で片持ち梁形式の加力を行った。加力制御方法は、部材角制御とし、部材角R=±1.25、2.5、5.0、10、20、30(×10-3rad)の繰り返し漸増載荷とした。加力途中でせん断破壊した場合は、当サイクルの目標部材角まで載荷して終了とした。結果として (1)開孔の有無に関わらず鋼繊維入り試験体は、スリップ性状が改善され、最大強度が6~12%上昇した。 (2)鋼繊維混入により、せん断ひび割れ幅が抑制され、靭性能が向上した。 となり、当初の予想以上に鋼繊維の効果が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
直接経費のほとんどが試験体の製作費用となった。コストダウンに結び付く工夫をし、計4体の実験ができた。結果も前述のとおり、鋼繊維の効果が確認できた。 ひび割れ後の幅の拡大が、普通コンクリートを用いたものより繊維の効果で抑制された。最大せん断強度も上昇し、実験でその効果が確認できた。当初予定の試験体数より少なかったが基本的性状は把握することができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定の実験因子のすべての実施は予算的に厳しいため、2024年度は1-2体の構造実験と付着などの基本情報を得る試験を行う。併せて3次元有限要素解析を中心として研究を進めてゆくこととする。まず昨年度行った実験のシミュレーション解析を行う。その後、コンクリート強度や補強筋量、開孔んも大きさなどを因子とした実験未実施因子の解析を行い、設計法に結び付けてゆく。
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