研究課題/領域番号 |
23K04121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
石山 智 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (80315647)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | コンクリート / ひび割れ / 塩化物浸透 / 塩害 / 浸水深 / 水圧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、水害や津波被害発生時におけるひび割れを有するコンクリート構造物への劣化物質の浸透特性を評価し、そのメカニズムを明らかにしようとするものである。本研究ではひび割れを有するコンクリート構造物を対象に浸水深による水圧作用下におけるひび割れからの塩化物浸透について、浸透の発生条件や浸透深さ、浸透の支配的条件を考察し、そのメカニズムを明らかにする。本研究の成果は、災害発生後の復旧、復興に有効であると共に、住宅など個人所有の建築物における低コストで高効率なメンテナンス手法の検討に有効な知見となる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、水害・津波災害を受けた鉄筋コンクリート造の建築構造物を対象とし、ひび割れ内部及びひび割れ近傍における劣化物質の浸透メカニズムを明らかにすることを目的とするものである。特に、劣化物質として塩化物を対象とした実験による検証を行い、水害や津波災害の状況を評価する上で重要となる構造物の浸水深さと塩化物浸透の関係性について定量的に評価し、ひび割れからの塩化物浸透の支配的条件を考察する。さらには、水害・津波災害の多くが短期間で終了することから、塩化物浸透初期からの経時的変化について評価を試みる。 当該年度においては、対象とする浸水深さを30cmとし、ひび割れを導入したコンクリートへの塩水浸透について実験的に検討を行った。割裂ひび割れを導入した円柱供試体に当方で開発した簡易塩水給水装置を用いて検討を行った結果、ひび割れ周辺部において塩化物の浸透が確認され、ひび割れの存在がコンクリート内部への塩化物浸透を助長する状況が確認された。 当該年度行った検討により、既往文献にもあるひび割れからの浸透を確認するとともに、ひび割れの導入及び試験条件の確認と問題の抽出を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では、当該年度は3m程度の浸水深における水圧作用環境を構築し、その基礎的なデータを得る計画であったが、物価の急激な高騰により本実験の中心的なものとなるコンクリート升の製作ができず、水圧作用環境下での実験が実施できなかった。水圧を作用させない環境でのひび割れからの塩化物浸透については基礎的なデータを収集したため、期間全体での遅れは大きくはないため、全体的な計画変更は必要ないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まずは早急な水圧作用環境を模擬するための実験装置の作製が必要である。これを実施したのち、装置の検証と基礎的データを収集し、速やかに実験を遂行する予定である。この実験を2025年度春季に予定している。装置による実験がずれ込んでいるため、2024年度は当方で開発した90cmまでの浸水深を検証できる簡易給水装置による塩化物浸透及び水分移動の実験的検討を前倒して実施する。これらの検討をもとに、最終年度となる2025年度夏季からひび割れと浸水深による塩化物浸透の変化について、そのメカニズムを検討していく予定である。
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