研究課題/領域番号 |
23K04134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
桑原 浩平 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40374582)
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研究分担者 |
傳法谷 郁乃 神奈川大学, 付置研究所, 研究員 (00782301)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ファン付き作業服 / 対流熱伝達率 / ファン風量 / 発熱円筒 / 人体熱モデル / 放射率 / 着衣熱抵抗 / 皮膚温 |
研究開始時の研究の概要 |
暑熱対策としてのファン付き作業服や寒冷対策としての低放射率衣服等の開発や評価・検証のためには生理反応等を予測する人体熱モデルが必要である。しかし、衣服内に気流がある場合の対流熱伝達率や着衣熱抵抗の扱いは定まっておらず、衣服内の低放射率を考慮した人体熱モデルは殆ど見られない。そこで本研究では、ファン付き作業服着用時の人体対流熱伝達率と着衣熱抵抗を実測、さらに低放射率衣服内の放射率を実測し、申請者らの平均皮膚温予測モデルに組み込むことを試みる。
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研究実績の概要 |
本年度の目的は,ファン付き作業上着内の風速と対流熱伝達率の関係を把握することである。人体対流熱伝達率は,各種人体熱モデルを用いたシミュレーションや温熱指標の計算に必要不可欠なものであるが,衣服内部に気流がある場合の対流熱伝達率に関する研究例は殆どないのが現状である。本年度は発熱円筒を用いた実測にて衣服内部の気流性状と対流熱伝達率の関係を把握することを目的とした実験を行った。まず直径45mmの発熱円筒の周囲をファン付き作業服の腕部分の生地で覆い,上から円筒と生地の間に気流を発生させた実験を行った。円筒に沿った流れの場合,生地が無い場合よりも生地がある方が風速は上昇し,対流熱伝達率も上昇することを示した。次いで胴体部を模擬した発熱円筒を作製し,ファン付き作業服をそのまま着用した状態で対流熱伝達率を測定することを試み,ファン風量と対流熱伝達率の関係を検証した。押出法発泡ポリスチレンフォームを用いて直径310mm,高さ500mmの円筒を制作し,表面に200×400mmのシリコンラバーヒーターを4枚貼り付けた。この円筒に市販のファン付き作業服を着用させた状態で実験を行った。また腕部を模擬した無発熱円筒も制作し,発熱胴体のみでファン付き作業上着着用をCASE1,発熱胴体+無発熱腕部でファン付き作業上着着用をcase2とし,円筒表面温度,作業上着表面温度,ファン入口空気温度,作業着内部の空気温度を測定した。ファンの強度は4段階である。上着のファン風速はベーン型風速計で,上着着内部の風速は上着の右半分に計16ヶ所の穴を開けて熱線風速計を使用して測定した。結果を既往研究と比較するために,対流熱伝達率をファン風量の関数として表した。CASE2の風量と対流熱伝達率がCASE1よりも減少しており,腕の有無で風量に差が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発熱円筒を制作し対流熱伝達率の測定が可能となった。今後,通常の横からの風速に対する対流熱伝達率を測定するなど,円筒の基礎性状を把握しつつ引き続き実験を行う。
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今後の研究の推進方策 |
本来は対流熱伝達率だけでなく着衣熱抵抗への影響も検討する予定であった。データは取得できているので今後考察を続ける。また着用の仕方で結果が異なる可能性もあることから,実験方法を確立し,サイズの異なるファン付き上着を着用させるなどして対流熱伝達率へ与える影響も検討していきたい。
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