研究課題/領域番号 |
23K04161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
瀧澤 重志 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40304133)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 空間情報解析 / Isovist / グラフ理論 / 数理計画 / 深層学習 / グラフ畳み込みネットワーク / ウォーカビリティ / 不動産分析 |
研究開始時の研究の概要 |
建築や街路の空間は,素材・色彩・部材といった画像系属性,空間の形や可視性といった幾何的属性,複数の空間の連なりといった空間構成属性から記述・説明されうる.近年,詳細な3次元の空間データが比較的低コストで入手できる状況になってきているが,既存の空間分析手法は,空間の有するこれら3つの情報を統合的に扱うことができていない.本研究では,空間の画像系・幾何的属性を局所的な空間モデルとしてIsovistで表現し,それらを最小個数使って空間全体の構成に合わせて連結した最小Isovistグラフを提案・検証する.
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研究実績の概要 |
本研究は,①最小Isovistグラフの自動作成・解析技術の開発と②検証からなる.成果をまとめる. ①閉じた平面上に離散的な観測点を設け,それらをすべて監視可能で視線がIsovistの領域として連結している最小の母点の個数を求め,できるだけ空間の中心にノードが配置されるようなグラフを“最小2次元Isovist Graph”とし,このグラフを求める問題を数理計画の枠組みで定式化・実装した.このモデルを室内と街路空間の複数の空間に適用し,計算時間や求められたグラフの妥当性の検証を行った結果,高速にグラフが求解でき,空間構造を適切にとらえられていることを確認した. ②a)空間にグラフ構造に基づいた分析手法の開発と検証を行った.一つはLIFULL HOMES Datasetの大阪府の賃貸マンションの間取り画像からグラフ構造を抽出し,グラフ畳み込みネットワーク(GCN)を用いて賃料推計のヘドニックモデルを学習させた.結果,間取りを考慮したモデルのほうが,そうでないモデルよりも有意に推計精度が向上したことや,賃料に影響を与える間取りの特徴を明らかにした.もう一つは,大阪市の小地域単位の犯罪オープンデータから街路単位での犯罪発生件数を推計する方法の開発である.街路を特徴づける量として,Plateauデータによる沿道建物の用途別延床面積を用いた.GCNを用いて自転車盗数などを目的変数とする回帰モデルを構築し,小地域単位でのモデルと精度や解釈性を比較し,おおむね街路単位のモデルのほうが優れていることを明らかにした. b)各地点の全方位画像を用いて大阪市区宅のウォーカビリティの分析を行った.400地点の全方位画像のデータや周辺の用途別建物分布から,ポイント型流動人口データによる歩行者数を推計する深層学習モデルを構築した.結果として,全方位画像のウォーカビリティに対する説明力が高いことを明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究のメインテーマである,最小2次元Isovistグラフを求めるための定式化が,予想よりうまく進んだため. また,グラフ畳み込みネットワークを用いた空間のグラフ分析手法の応用範囲が広く,得られた結果も予想よりも良い感触を得ているため.
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今後の研究の推進方策 |
①最小Isovistグラフの自動作成・解析技術の開発 2023年度で定式化はほぼ完了したため,次年度以降は実装に向けた細かな部分の改良や,既存の関連手法との性能比較,対象空間を増やした検証などを中心に行っていく予定である. ②検証 a)①の結果を直接使った検証はまだ行っていないので,住宅や街区スケールの空間データで高度なクラスタリングなどを行い,提案手法の意義を深める. b)2023年度に引き続き,空間の深層学習やグラフ分析の応用分析の事例を増やす.加えて音環境のIsovist的なモデリングや推定手法も検討する.
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