研究課題/領域番号 |
23K04165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小澤 広直 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (10907059)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 都市高速道路 / 戦後土木史 / 都市デザイン史 / 土木デザイン史 / 戦後土木施設 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,都市デザイン史・土木デザイン史の研究分野においては,戦後土木施設の計画やデザインに関する歴史的研究と知見の蓄積が必要不可欠であると認識され,その進展が期待されている. 本研究はその嚆矢として,戦後土木施設の代表事例の一つである首都高速道路などの都市高速道路に着目し,都市高速道路の路線計画思想と空間デザイン手法を歴史的視点から明らかにすることを目的とする. これにより都市高速道路の計画・デザイン論の構築を図り,今後のインフラストラクチャーのデザイン・保全・活用に向けた知見を得ることで,今後の都市空間再生の一助となることを目指す.
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研究実績の概要 |
近年、都市デザイン史・土木デザイン史の研究分野においては、戦後土木施設の計画やデザインに関する歴史的研究と知見の蓄積が必要不可欠であると認識され、その進展が期待されている。本研究はその嚆矢として、戦後土木施設の代表事例の一つである首都高速道路などの都市高速道路に着目し、都市高速道路の路線計画思想と空間デザイン手法を歴史的視点から明らかにすることを目的とする。 2023年度は、首都高速道路と阪神高速道路を対象に、以下の通り、資料調査と現地調査によって研究を進めた。 【研究項目(A):戦後の国土計画・道路政策における都市高速道路事業の位置付けと実態】は、首都高速道路、阪神高速道路ともに、2005年の公団民営化までの事業展開と関連施策の把握を進めた。また道路関連統計データなど数値データの収集・整理を進めた。 【研究項目(B):都市高速道路の路線計画の歴史的展開】は、首都高速道路については、研究代表者の先行研究によってその存在が重要であると把握できた、最初の公式計画である「首都建設委員会公告第12号『首都高速道路に関する計画』」について、資料に基づく立案経緯の解明とGIS分析による路線計画の地理的特徴を明らかにした。阪神高速道路については、大阪府や大阪市など関連地方自治体が策定した計画案などの資料収集を行い、GIS分析のためのデータ作成を進めた。 【研究項目(C):都市高速道路の空間デザイン手法の全体像と特徴】は、首都高速道路、阪神高速道路ともに、空間デザインを含む歴史・文化的価値が高いと考えられる長大橋や高架橋など代表的な構造物を抽出し、資料調査による計画経緯や設計思想の把握及び現地調査による現況の把握を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
首都高速道路と阪神高速道路については資料調査が順調に進んでいるとともに、これらをもとに、研究項目(A)及び研究項目(B)での分析のための基礎データの収集・作成や整理が進んでいる。 また事業の展開経緯や代表的な構造物の計画経緯や設計思想の解明については、研究代表者が学識者として参画している土木学会戦後土木施設小委員会による調査とも共創的に連動していた。 上記の研究成果は、土木学会戦後土木施設小委員会の調査報告書や土木史研究発表会における単著や筆頭著者としての論文として発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降は、研究計画に従い、名古屋高速道路も研究対象に加えて研究を進める。特に研究項目(A)と(C)については、首都・阪神・名古屋の3つの都市高速道路を対象としてその実態を把握・解明した既往研究は管見の限りでは見当たらず、その進展が期待される。 2024(令和6)年度は、GISを用いた基礎データの作成を完了させ、それに基づく都市高速道路デザインデータベースの構築とそれを用いた空間デザイン手法を解明することがメインとなるため、引き続き資料調査や現地調査、データ作成・分析を進めていく。
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