研究課題/領域番号 |
23K04168
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
|
研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
山口 行一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80294718)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
|
キーワード | コンパクトシティ / エリアリノベーション / シミュレーション / マルチエージェント |
研究開始時の研究の概要 |
コンパクトシティ化には公共だけでなく民間の取り組みも重要であるが、そうした影響を捉えるための分析ツールが構築されておらず、地区レベルの将来像や取り組み手順の検討を難しくしている。そこで、本研究では、都市機能誘導やスポンジ化対策に関わる政策シミュレーションを行うことで、政策別に地区住民の利便性と歩行者交通量に与える影響を把握することを目的に、マルチエージェントシミュレーションモデルを開発する。
|
研究実績の概要 |
日常生活における移動に関わる文献を整理したほか、研究対象地区のエリアリノベーションに関する取り組みを収集・整理した。道路や公共空間を用いた地区の魅力創出を目的とした社会実験において、アンケート調査と回遊行動調査を実施し、回遊行動に与える影響を分析した。 アンケート調査では、属性、訪問店舗数、滞在時間、休憩時間、回遊ルートなどを、回遊行動の調査では、社会実験のエリア内の来街者数を1時間ごとに調査した。 アンケート調査の結果、30代と40代、子供連れ家族の滞在時間が長く、一方、高齢者、同伴者なしの来街者の滞在時間は短かいことがわかった。 分析においては、賑わい指数と回遊指数を設定し、その関係に着目した。具体的には、賑わいは、開催日の出店店舗のタイプや時間別の滞在人数、回遊性は、回遊時間、休憩時間、利用店舗数、使用金額などを用いて指数化し、その関連性をスコア化して分析した。賑わいについては、飲食やカフェ、花などの小売、ワークショップなどのサービスといった店舗タイプ別にみると滞在人数に大きな違いは見られなかったが、店舗タイプの集積状況が異なっているゾーン単位でみると滞在人数が異なっていることがわかった。回遊性については、同伴者の有無や公園の利用の有無が回遊時間に影響を及ぼすことがわかった。また、高額を消費した来街者のみが、滞在時間が長いわけではないことがわかった。賑わいと回遊の関係性については、公園などの休憩施設を利用した来街者は、多店舗利用による消費行動をとる傾向がみられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、地域の価値および回遊行動に関する意識構造分析として、地区の魅力を創出するための社会実験の来場者に対するアンケート調査を実施し、地域の価値が変化することで来街者数にも影響があることを確認し、地区の賑わいと来街者の回遊性について分析した。 マルチエージェントシミュレーションモデルの構築を開始する予定であったが、取り掛かれていない。
|
今後の研究の推進方策 |
エリアリノベーションなどの影響を分析するため、分析ツールとしてマルチエージェントシミュレーションモデルを構築する。また、位置情報データなどを用いて、シミュレーションモデルの整合性を確認したうえで、将来シナリオ別に歩行者量等の予測を行う。
|