研究課題/領域番号 |
23K04171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 国土技術政策総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 暁 国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 研究官 (80356013)
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研究分担者 |
加戸 啓太 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (60727379)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 出来形点群モデル / 戸建て木造住宅 / 品質管理 / セマンティック点群 / ビッグデータ / 住宅履歴情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、戸建て木造住宅の品質確保のより一層の促進に向けて、新築工事における施工状況を作業と並行して記録、確認、検索できる履歴情報管理の実現のため、施工中に作業者等により記録されるカメラ画像をビッグデータとして活用する情報化技術を開発する。 具体的には、フォトグラメトリ技術によって建築工程と併走する形で、三次元情報と時間軸をもつ4Dな出来形点群モデルをデジタルツインとして生成する。さらにAI技術で重要な部品・部位を認識し、点の集まりにセマンティック(属性情報)を付与し「三次元点群、時刻、元画像データおよびセマンティック」が紐付けられた“4D+セマンティック出来形点群モデル”を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、戸建て木造住宅の品質確保のより一層の促進に向けて、新築工事における施工状況を作業と並行して記録、確認、検索できる履歴情報管理の実現を目指し、施工中に作業者等により記録されるカメラ画像をビッグデータとして活用する情報化技術について、求められる機能要件および要素技術の利用可能性等を検討し、開発目標を具体化することを目的とする。研究方法としては、画像データを扱う関連研究開発の動向の把握、戸建て住宅の建築工程を通じた画像データの記録方法の検討、戸建て住宅の出来形管理における画像データの利用価値の考察を行う。 令和5年度は、開発する技術の要件を検討、整理した。実務で利用される技術であるために、作業者それぞれに装着したカメラの画像を入力に用いて“4D+セマンティック出来形点群モデル”を構築し出来形確認に用いるアプローチを提案する。“4D”すなわちフォトグラメトリの技術により戸建て木造住宅の建築工程と併走するかたちで構築される時刻、画像データの紐付く三次元点群を生成すること、“+セマンティック”すなわちAI技術により重要な部位・部品を認識し点の集まりにセマンティック(属性情報)を付与すること、この二点が、出来形確認への適用において重要なポイントである。 令和6年度に向けた準備については、戸建て木造住宅における施工時のインシデントや改修時の情報の不足に関する実態を把握するため、住宅設計や建築、現場管理に関わる有識者、実務者等へのヒアリングを行い、任意の時刻歴における出来形確認に対するニーズを整理した。また、実際の戸建て住宅の施工現場において作業者カメラ映像の試し撮りを行い、その傾向を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初計画とおり、初年度の作業として、①戸建て木造住宅における施工時のインシデントや改修時の情報の不足に関する実態調査を実施し、住宅設計や建築、現場管理に関わる有識者、実務者等へのヒアリングより、任意の時刻歴における出来形確認に対するニーズを整理した。また、現場管理の課題に関し、部位・部品の出来形の確認方法などについて、金物の忘れなど施工時にインシデントの起きやすい部位、内装の裏の施工状況など改修時に確認したい隠蔽部の情報等を抽出し、記録およびセマンティックが付与されるべき重要部位として整理した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画に即して、令和6年度は、②施工現場での作業者カメラによる画像データの記録及び管理方法の検討を行う。建築工程における通常の作業のなかで令和5年度に整理した重要部位が適切に記録されるよう、作業者カメラの装備方法(頭部、胸部、腕など)を検討する。また、施工現場において試行実験を行い、③4D+セマンティック出来形点群モデルの構築におけるAI活用技術の開発に用いる画像データとして記録画像を収集しつつ、重要部位の被写率や映り方の傾向の分析を行う。並行して、現場内での記録のスケジューリングや、データの合理的な取捨など管理方法の検討を行う。
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