研究課題/領域番号 |
23K04180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
山道 未貴 熊本県立大学, 共通教育センター, 研究員 (70967265)
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研究分担者 |
柴田 祐 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90444562)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 集落機能 / 限界集落 / 集落活動 / 段階 / 方法 / 担い手 / 集落機能の維持・継承 / 集落間連携 / 集落の縮小化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,限界化の進行が異なる複数の集落を対象に集落機能において「方法」と「担い手」に着目し,集落機能の質的な変化を明らかにするために,①住民参加型の集落点検を通じて,集落の実態を明らかし,②集落機能の維持・継承に関わる「方法」と「担い手」について,対象集落を相互に比較し,集落機能ごとに「方法」と「担い手」の実態を明らかにすることを目的とする。限界化が進行する集落の機能の実態が明らかになれば,今後,縮小化していく集落の段階に応じて,集落機能の維持・継承に向けた対策を検討することができる。
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研究実績の概要 |
集落の存続状況を段階的に示す限界集落の概念に基づき、量的規定と質的規定の双方から限界集落の実態を把握するために、2023年は、熊本県菊池市を対象に、人口分析とヒアリング調査を実施した。 人口分析では、限界集落の量的規定である「65歳以上の高齢者が集落人口の50%以上」の指標を見直して高齢化率以外の統計的指標を検討し、量的規定の妥当性を検証した。具合的には、国勢調査や住民基本台帳などの統計的資料を用いて、小地域単位による集落の限界化プロセスの分析を進めた。 共同体の維持困難、集落機能の低下といった質的規定については、国交省の定める集落機能の定義に則して分析を行うこととした。限界集落化のプロセスや集落機能に関する先行研究を整理するとともに、集落機能の定義について改めて検討した。 ヒアリング調査では、集落機能の維持・継承に関わる「方法」と「担い手」を明らかにする前段として、集落活動の実態を網羅的に把握した。具体的には、高齢化率50%前後で人口規模が異なる8集落でプレ調査を実施した。8集落の区長のほか若手居住者や集落出身者など約30人に、人口、共同作業、集落行事、地域内組織・役職、産業などの集落活動の実施状況に加え、集落の若手には、集落との関わりや課題、将来などについて把握した。その結果、集落機能は、高齢化率や人口規模の違いに限らず、いずれの集落も昔からの方法を踏襲し、人口が減少しながらも大部分を集落居住者のみで維持していることが明らかになった。一方で、子供の数の減少に伴い、子供を中心とした行事や子供会がなくなった集落もあり、文化の継承という側面で集落機能の弱体化の傾向も見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、人口分析は、熊本県下を対象に小地域単位で集落の限界化の過程を分析する予定だった。2023年度は、調査対象地域が限定的になっているものの、限界集落の量的規定の妥当性を検証することができ、量的規定の指標を確立する見通しが立った。ヒアリング調査では、プレ調査として熊本県菊池市で集落点検を実施することができ、加えて、集落の若手を対象とした意識調査が実施できており、順調に研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、人口分析の調査対象地を拡大するとともに、集落の立地状況や空間構成などの物理的な側面についても研究を進める。また、プレ調査では、集落活動の実態を網羅的に把握することができたが、集落機能の質的な変化を「方法(やり方が変わらないもの、変わったもの、なくなったもの)」と「担い手(近隣集落とのつながり、集落内外の担い手)」の視点から分析するために、追加調査を実施する。加えて、調査対象地域を増やす予定である。
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