研究課題/領域番号 |
23K04200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
境野 健太郎 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 准教授 (20468060)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 特別支援学校 / 教室利用 / 医療的ケア児 / 障害児 / 重度障害 / 重複障害 / 支援学級 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、重度・重複障害児を対象とする特別支援学校を取り上げ、教室の運営方法や利用様態を実証的に捉えて整理することで、身体機能の向上や精神の社会的発達を促す学びの空間のあり方、学びの活動を支える医療的ケアの提供空間のあり方、地域や社会と学校の連携のあり方に関する課題を把握する。その上で、適切な学びを提供するための支援体制を建築空間としてのハードと地域連携を含むソフトの両面から包括的に捉え、障害に応じた教育環境の構築について、建築計画的知見を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
近年、障害をもつ児童生徒の増加に加え、障害の重度化・重複化・多様化がみられており、障害に応じた専門性と安全性とを併せ持つ教育環境のあり方が問われている。特に重度の障害をもつ児童生徒を受け入れる特別支援学校では、身体的・心理的サポートの必要から、児童生徒ひとりひとりのニーズに応じた適切な支援が可能となる学び空間の計画が求められている。 令和5年度は、特徴的な運用を行う国内5カ所の特別支援学校への訪問調査を実施した。それぞれの特別支援学校の訪問に際し、学校の平面プランを確認したうえで、教室利用の状況(学年・人数・障害の程度・教育課等)、対応する教諭・看護師・介助員・実習助手等の人数、コロナ以降における運営状況等について現地調査を実施した。また、必要に応じて、過去数年にわたる運営状況についての資料の提供を依頼し、それらの入手を完了するとともに、今後の調査計画の詳細について検討を行った。 国内で運用例の少ないユニット型空間を有する特別支援学校では、多様に編成される学習グループによる空間の使い分けの様子を確認した。視覚障害・聴覚障害・知的障害の異なる障害を持つ児童生徒が通う総合支援学校として運用される特別支援学校では、障害種別ごとに計画されたクラスター型空間と障害種を越えた合同学習を企図して計画された空間の多様な運用について確認した。障害の重度化・重複化への対応を念頭に計画された特別支援学校では、増加し続ける重度重複障害児に対応するためにケアルームの移設拡充を行い、教室との関係性改善と教諭・看護師の連係性向上、児童生徒の移動負担軽減が達成されたことを確認した。医療療育センターに隣接して計画された特別支援学校では、空間の共用による機能充実の可能性と運用面における課題について確認した。 以上のように、訪問調査により障害に応じた特別支援学校の学習空間について建築計画的知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本格的な調査が年度の後半になってからの実施となったが、初年度の研究目標はほぼ達成することができた。調査の成果として不十分な点がないわけではないが、次年度以降の調査と並行して、考察を深められると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
特別支援学校の運用に対する建築計画上の課題が幾つか確認されている状況にあるが、研究主題である重度重複障害児への対応に着目した研究テーマを進めていく所存である。各特別支援学校に通学する児童生徒の特性に合わせた多様な学び空間への対応として、何が有効であるのかをそれぞれの状況から明らかにすることで、有効な知見へと繋げていきたい。
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