研究課題
基盤研究(C)
実質的に朝廷政治を担った院の御所(院御所)や仮御所には、朝廷・幕府にとって絶対的に必要とされる「内裏」の空間が優先的に確保された。このような仮御所・院御所の空間からは、禁裏(朝廷社会)の本質がみてとれる可能性がある。しかし、近世の仮御所や院御所については、その造営の経緯や殿舎の特徴、組織(人員)は明らかにされつつあるものの、空間の使われ方などは明らかにされていない。そこで本研究は、近世の仮御所や院御所、特に17世紀から18世紀にかけて後水尾院や霊元院といった院が実質的に朝廷政治を担った時期の院御所や仮御所に着目し、建築史的視点からそれらの御所の特性と位置づけ(意義)を明らかにする。