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メカニカルメタマテリアルを用いた高精度取付インターフェース構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K04238
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分24010:航空宇宙工学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

石村 康生  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10333626)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードインターフェース / 熱応力緩和 / アイソレータ / 低熱膨張 / 宇宙構造物 / メカニカルメタマテリアル
研究開始時の研究の概要

近年需要の高まる宇宙からの高精度な地球観測や,最先端の天体観測衛星における基盤技術として,各種観測機器とそれらの機器が取り付けられる主構造間の機械的なインタラクションをアイソレートする革新的な高精度取付インターフェース構造の実現を目的とする.これらの高精度取付インターフェース構造は,衛星や探査機における利用に限らず,地上における各種検証試験などでも活用が期待される.現在までに研究してきた熱伝導率,線膨張係数が一般的な金属材料の1~2桁下,アルミ合金よりも軽量なメカニカルメタマテリアルを発展させ,最適な剛性分布設計を行うことでインターフェース部での熱応力の緩和と振動のアイソレート機能を付与する.

研究実績の概要

高い形状安定性を有しつつ,インターフェース部の熱応力緩和と振動アイソレータ機能の付与を行うために,インバー材の3D造形技術を用いて,低熱膨張,低熱伝導なラティス構造を開発し,その機械特性評価(密度,低熱伝導率,圧縮剛性)を行った.その結果,既存の構造と比べて,約70%の大幅な軽量化と,90%以上の熱伝導率の低減が確認された.また,圧縮剛性についても,設計予測値と試験値が妥当な範囲で整合することが確認できた.このことから,熱伝導率,線膨張係数が一般的な金属材料の1~2桁下(2W/(m・K)以下,0.2×10^-6/K以下),アルミ合金よりも軽量な(見かけの密度2.5g/cm3以下)メカニカルメタマテリアルを実現できたといえる.
次に,高精度変位計測装置のインターフェース部における熱応力緩和機構の設計を行った.シミュレーションによって,熱応力緩和機構が変位計測装置の指向安定度が20倍程度向上させることを確認した.さらに,インバー材の3D造形によって,実際の熱応力緩和機構を作成し,その性能を恒温槽試験によって確かめ,想定された性能が発揮できることを確認した.2024年度は,実際の運用環境(大気球実験環境:数hPa,-40℃以下)での性能評価を行う予定である.
最後に,アルミの1/20程度といった低熱膨張性を有しつつ,100Hz帯域における振動アイソレータの研究を実施した.各種ばね形状の特性と剛性配置を検討し,現状,面外方向に対しては,ほぼ想定通りの伝達特性を有するアイソレータの実現ができた.2024年度以降には,多自由度に対する剛性配置の検討を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初想定していた剛性分布設計によるインターフェース部での熱応力緩和および振動アイソレート機能の付与については,進捗が遅れているものの,アプローチを変更し,実問題への適用を先に着手した.その結果,実問題への適用に関しては,計画より進んで研究開発が進行しており,全体としては,概ね順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

2023年度研究開発を実施した応力緩和機構の実際の運用環境での性能評価を行う予定である.実運用環境での評価結果を設計にフィードバックさせると同時に,より汎用的な設計論へつなげる.
アイソレータについては,2023年度に検討したアイソレータ設計をベースにしつつ,多自由度に対する剛性配置の検討を行う予定である.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] キネマティックカップリングのラッチ完了条件の幾何学的導出の基礎的検討2024

    • 著者名/発表者名
      鬼原周平,石村康生
    • 学会等名
      日本機械学会 関東支部第30期総会・講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 宇宙機器の高精度インターフェースの要求と研究開発2024

    • 著者名/発表者名
      石村康生,田中宏明,鳥阪綾子,安田博実,峯杉賢治,安田進,小川博之,小田切公秀,上野史郎
    • 学会等名
      日本機械学会 関東支部第30期総会・講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Stewart Platform with Low Thermal Expansion and Low Thermal Conduction Elastic Hinges for Precise Pointing Control2023

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke MOCHIDA,Kosei ISHIMURA, Sho IKUTA, Kohei MIYAMOTO, and Nobuyuki OYAMA
    • 学会等名
      International Symposium on Space Technology and Scinece
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] インバー合金を用いたラティス構造による軽量サーマルインシュレータの機械特性評価2023

    • 著者名/発表者名
      須田崇史, 須永大介, 大山伸幸, 石村康生
    • 学会等名
      第65回構造強度に関する講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高精度機器インターフェースの実証:DREAM32023

    • 著者名/発表者名
      石村康生, 菊谷冬馬, 風間隼太郎, 定村嵐, 青木信篤, 小野寺隼作, 江熊信康,河野太郎, 宮下朋之, 田中宏明, 鳥阪綾子, 土居明広, 山谷昌大, 中尾達郎,福家英之, 水村好貴
    • 学会等名
      大気球シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高精度変位計測装置(DREAM)の熱応力緩和インターフェースの設計2023

    • 著者名/発表者名
      菊谷冬馬,小野寺隼作,定村嵐,石村康生,大山伸幸
    • 学会等名
      日本機械学会 関東支部第30期総会・講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] CFRP製SARアンテナパネルの熱変形評価2023

    • 著者名/発表者名
      児島佑介,冨永大夢,郭文源,石村康生,中村和行,齋藤宏文
    • 学会等名
      宇宙構造材料シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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