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反応解析に基づいた小型衛星用高エネルギーイオン液体推進剤の創製

研究課題

研究課題/領域番号 23K04239
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分24010:航空宇宙工学関連
研究機関防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)

研究代表者

松永 浩貴  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 応用科学群, 講師 (70759240)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
キーワードロケット推進薬 / 高エネルギー物質 / イオン液体 / 反応解析 / 熱分析 / 化学推進
研究開始時の研究の概要

高エネルギー物質(high energetic materials, HEMs)の一つであるアンモニウムジニトラミド(ammonium dinitramide,ADN)を戦略物質として,人工衛星用推進剤に適した化学的特性を有する高エネルギーイオン液体(energetic ionic liquids,EILs)を創製し,EILsの組成構築の理論を確立することを目指す。目的達成に向け,①EILsの物性や反応特性に影響を及ぼす因子の特定,②優れた特性を有するADN系EILs(ADNを基剤として用いたEILs)の創製,③あらゆるHEMsを基剤としたEILsの調製を可能にする指針の構築を進める。

研究実績の概要

高エネルギー物質を基剤(High Energetic Materials, HEMs)とした"高エネルギーイオン液体(Energetic Ionic Liquids, EILs)"は,高密度・低蒸気圧という特有の物性により,高性能かつ取扱いが容易な超小型人工衛星向け新規推進剤となることが期待される。本研究では,高エネルギー酸化剤アンモニウムジニトラミド(ADN)を戦略物質として,人工衛星用推進剤に適した化学的特性を有するEILsを創製し,EILsの組成構築の理論を確立することを目指している。
2023年度はADN系EILsの着火性について重点的に検討した。EILsは蒸気圧が低く,熱安定性が高いため,良好な着火性を得ることは喫緊の課題である。本研究では,室温付近で安全な取扱いが可能でありながら,加熱時の凝縮相反応が顕著に進行し,高い着火性を有するADN系EILsの組成を探索した。これまでの研究からADNに対してホルモヒドラジドを可燃剤として加えると,室温で安定かつ着火性が良好なEILsとなることが見出されている。そこでこれを基にして,着火性の高さに寄与する因子について,熱分析-生成ガス同時測定,着火温度の測定,量子化学計算などによって検討した。その結果,加熱した際に,ADNの分解初期生成物である二酸化窒素とホルモヒドラジドの分解で生じるヒドラジンが高い反応性を有し,凝縮相温度を大きく上昇させることが要因と推定された。以上の結果の結果によって,着火性に優れたADN系EILsを得るための指針についての知見を得ることができた。さらに,得られた結果を基にして,新組成の探索や反応促進剤(触媒)を用いた着火性の向上についても検討を進めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度の目標は,推進剤に適した特性(融点,燃焼性能,安全性)が期待される組成のADN系EILs(2~3成分で構成)を選定し,試製することであった。その中で,特に融点や着火特性に優れた組成を調製するだけでなく,良好な着火性を得るための条件についても検討を進めることができた。2024年度以降に詳細試験によって検証を行うことで,調製の指針が確立できる見込みである。一方で,他の特性についての知見や,試製するEILsの種類がやや不足しており,2024年度の課題となった。
2023年度に計画していた検討をほぼ進めることができ,研究成果について国内外の学会での発表も行うことができた。したがって,本研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

2024年度は,初年度に見出された融点および着火性に優れたADN系EILsを得るための知見についての検証を行い,指針を確立する。また,着火性以外に取扱い時に重要となる物性,燃焼特性,安全性についても,検討を進め,それらに優れたADN系EILsの候補となる数種類の組成を試製し,評価を行う。並行して,各パラメータに影響を及ぼす因子についての検討も開始する予定である。以上を基にして,小型衛星用として優れた特性を持つADN系EILs組成を提案することを目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 超小型衛星を見据えた高エネルギーイオン液体推進系の研究開発2024

    • 著者名/発表者名
      松永 浩貴, 伊東山 登, 松本 幸太郎, 塩田 謙人, 伊里 友一朗, 勝身 俊之, 羽生 宏人, 野田 賢, 三宅 淳巳
    • 雑誌名

      宇宙航空研究開発機構研究開発報告

      巻: JAXA-RR-23-005 ページ: 1-5

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Development of Next Generation Green Propellant with High Energetic Ionic Liquids2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Matsunaga
    • 学会等名
      The 34th International Symposium on Space Technology and Science (ISTS)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Gas generation behavior in the decomposition of ammonium dinitramide and hydrazide mixtures2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Matsunaga, Yuki Yano, Katsumi Katoh, Hiroto Habu, Masaru Noda, Atsumi Miyake
    • 学会等名
      7th Central and Eastern European Conference on Thermal Analysis and Calorimetry (CEEC-TAC7)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 量子化学計算を用いたADN/ホルモヒドラジド混合系の液相反応性解析2023

    • 著者名/発表者名
      矢野佑樹, 塩田謙人, 松永浩貴, 羽生宏人, 野田賢
    • 学会等名
      火薬学会2023年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アンモニウムジニトラミド/ヒドラジド混合物の発熱挙動に及ぼす触媒の影響2023

    • 著者名/発表者名
      松永浩貴, 伊東山登, 羽生宏人, 野田賢, 三宅淳巳
    • 学会等名
      火薬学会2023年度秋季研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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