研究課題/領域番号 |
23K04245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
富永 晃司 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (60924769)
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研究分担者 |
山本 姫子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (50791571)
井上 智博 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70466788)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 二液式スラスタ / 異種衝突噴霧 / 減圧沸騰 / LIF / Mie散乱 / 微粒化混合 / 液膜冷却 / 無次元噴射条件 / 始動不安定 / 推薬噴射 / 混相熱流動 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙機の二液式スラスタは,液体燃料および酸化剤を燃焼室内に噴射し,互いに衝突・微粒化混合することで,自発的な着火,燃焼を促し推力を得る.このスラスタの始動・停止時には燃焼室内部が真空状態となり,噴射推薬の減圧沸騰が避けらず,始動不安定につながる点が興味深い.しかし,その不安定な始動機構は長年の未解決課題である.そこで本研究では,光学系高速度計測を駆使し,減圧沸騰下の推薬混相熱流動状態を定量化および数理モデル化することで,始動・停止時におけるスラスタ性能予測技術を確立する.これにより,着火安定性を向上させたスラスタ開発に貢献する.
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研究実績の概要 |
宇宙機の二液式スラスタは,液体燃料および酸化剤を燃焼室内に噴射、衝突・微粒化混合することで,自発的な着火,燃焼を促し推力を得る.真空始動時には燃焼器内で推薬の減圧沸騰が発生するため、着火に至る推薬微粒化、混合状態とは異なる状況となる。その際、しばしば不安定着火が発生するが、その機構は長年未解決の課題である.本研究は光学計測により減圧沸騰を伴う推薬衝突・微粒化混合を定量化するとともに、数理モデルを構築することでスラスタ性能予測を実現することが目的である。 初年度は異種衝突型噴射器での非燃焼模擬液(純水/代替フロン)噴霧断面をMie散乱光計測およびLIFを実施した。減圧沸騰の度合いは準定常的な噴射器背圧調整により調整した。燃料および酸化剤模擬液ともに観測されるMie散乱光計測では減圧沸騰を伴う噴霧断面の液相分布を確認した。またLIFでは燃料模擬液の純水に蛍光塗料を溶解することで純水液相分布のみの取得にも成功した。画像処理で両手法の噴霧断面積を算出することにより、模擬液同士の混合割合を定量化した。減圧沸騰による代替フロン噴霧の気液割合は冷却液膜用ジェットへの代替フロンジェット衝突による広がり角の変化を用いて算出を試みた。その結果、混合割合と無次元噴射条件の相関を明らかにし、定量的に噴霧混合割合の評価を可能とした。噴霧混合割合はスラスタ性能を決定づける主要因であるため、光学的手法によるスラスタ性能予測の可能性を示唆する成果となった。 本年度の研究成果を国際学会、国内学会の発表を通じて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調書の予定に従い、順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
調書計画を迅速に推進すべく、観測画像処理の自動化、性能予測までのプロセスを一貫処理するプログラム構築を進める。 研究遂行にあたり問題はない。
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