研究課題/領域番号 |
23K04246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
有田 俊作 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 講師 (30822126)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ヘリコプタ / 渦輪状態 / Vuichard Recovery / インフローモデル / 渦和状態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ヘリコプタにとって最も危険な飛行状態の一つである渦輪状態について,その流れ場を明らかにして,渦輪状態からの脱出を再現できるモデルを構築し,渦輪状態からの脱出法の評価をすることを目的とする. 渦輪状態では,ロータの吹きおろしが,ロータ外側を回り込んで再度引き込まれる等して,複雑な流れ場を形成する.この時,推力が得られなくなり,墜落の危険さえある. 実験等によりロータ周りの流速を調べることで,渦和状態のヘリコプタの挙動を計算可能なモデルを作成することができる.このモデルを用いて,渦和状態脱出軌道を評価し,ヘリコプタの安全な運航に貢献する.
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研究実績の概要 |
主に実験装置の整備を進め,必要な機材等をおおむねそろえた。具体的には,風洞の電動機を改造し,これによりヘリコプタの飛行状態を再現するための実験条件を作り出せるようにした。また,ヘリコプタ模型の周りの空気の流れを測定するための機材を調達し,調整を行った。 本研究では,降下飛行するヘリコプタが陥る可能性のある,危険な飛行状態(渦輪状態)を対象としている。この状態を実験的に再現するためには,風洞の吹き出し方向に対し,ヘリコプタ模型を垂直に設置して,降下によってメインロータの下から風を受ける状態を模擬する必要がある。風洞とヘリコプタ模型とを組み合わせた実験のためには,治具や測定装置の設定などさらなる調整が必要であることから,本年度はその前段階として,風洞を利用せずにヘリコプタ模型のみを利用して,ホバリング状態におけるロータ後流の測定を行った。 ロータ後流の測定は,流れ場全体を把握するという意味で,また本研究の目的の一つである渦輪状態を再現可能なモデルの作成という意味で重要である。モデルの作成とは,対象とする飛行状態において,ロータに発生する力とヘリコプタの動きを計算するための数式を整理することを意味する。実験で測定したロータ面における流速を数式に反映することで,モデルを現実に近づけることができる。 本年度は,ホバリング状態におけるロータ後流の簡易な推算方法を提案するとともに,実験により取得した風速のデータとの比較を行った。これらにより,精度良く流速の測定を行うための実験方法の改善を行うとともに,得られた実験値を数式にどのように反映するかを検討した,
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
半導体不足等の影響により部品の調達が混乱したことから,風洞の電動機改造をはじめとする実験環境の整備に時間と労力を要した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は実験と,モデルを利用したシミュレーションの両面から,研究対象であるヘリコプタの渦輪状態の再現を目指す。また,初年度の成果の対外発表を計画する。2025年度は実験とシミュレーションのパラメータを変化させ,結果を検討することでモデルの一般性を向上させる。実験では半拘束の試験を試みる他,適時成果の対外発表を実施する。最終年度は,シミュレーションソフトを用いた模型の操縦訓練を実施したうえで,可能であれば飛行試験を試みる他,渦輪状態からの脱出機動を模擬できるモデルの最終調整と検証を実施する。
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