研究課題/領域番号 |
23K04257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
松井 貞興 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (60734225)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 波浪中船体応答 / 統計予測 / 非ガウス過程 / RTP法 / 船体構造 / 全船荷重構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、設計波法にかわる波浪荷重の非線形影響を考慮できる統計予測手法の確立を目的とする。非線形の統計予測手法は高次応答関数法などが知られているが、いずれも計算には膨大な計算量が要求されるため実設計に適用することは難しい。これに対し、本研究ではより実用的な手法として、複数の波高の規則波下における応力の応答関数から非線形の極値分布を近似的かつ合理的に推定する手法を開発する。荷重自体に非線形修正を施す従来法に対し、個々の部材の応力に着目して非線形性を考慮する本手法は全船構造解析との親和性が高く、今後の全船解析の最大応答計算法の標準化を目指すものである。
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研究実績の概要 |
波浪荷重の非線形影響を考慮した船体応答の実用的な極値統計予測手法として、新たにRTP(RAO-Based Translation Process)法を提案し、数値実験を通して波浪断面力(縦曲げモーメント等)に対する有効性を確認した。本手法は波高依存のRAO(応答関数)を使用して与えられた波スペクトル下の非線形応答の短期超過確率分布を近似的にえることができる簡易推定法で、長期予測への適用性に優れる。同手法の論文はJMST(Journal of Marine Science and Technology)に投稿し、受理されている。さらに、同手法を非線形roll運動に適用した論文を国際学会OMAE2024で発表予定である。 さらに、狭帯域の応答にしか適用することができないというRTP法の欠点を補った、非狭帯域(多峰)応答に対しても適用可能なEnhanced RTP法を考案し、波浪中船体構造に生じる応力の短期分布に対しても適用可能であることを確認した。ERTP法に関する論文はJMSTに投稿し、査読中である。本手法は従来の船舶構造設計で用いられる代表荷重である等価設計波を選定する必要が無いため、今後の船舶構造設計の評価手順を変えうるポテンシャルを有すると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
概要にて示した、非線形統計予測手法(RTP法並びにその拡張手法であるERTP法)の考案および構築が想定よりも早く、かつその適用性が十分に高かったため、研究成果および論文執筆が極めて迅速であった。2023年度の成果は以下のとおりである。 ・英文ジャーナル(JMST)2本(1本は受理済&公開、1本は査読中) ・国際学会(OMAE2024)1本(査読後受理、2024年6月に発表予定) ・国内学会(JASNAOE)2本(2023/11に発表済み、2024/05に発表予定)
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今後の研究の推進方策 |
今後はRTP法の他の非線形応答に対する適用性の検討と、過去に考案した非線形相当応力(von-Mises応力など)に対する統計予測手法との組み合わせについて検討する。
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