研究課題/領域番号 |
23K04260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
仁木 洋一 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, グループ長 (10511587)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | アンモニア / 化学反応機構 / 圧縮着火 / デュアルフューエル |
研究開始時の研究の概要 |
船舶からの温室効果ガスの排出削減ためにアンモニア(NH3)が舶用機関の燃料として注目されている。NH3を燃料とするディーゼル機関の実用化には、NH3と軽油の着火・燃焼の他、パイロット燃料の噴射条件や燃焼室内の形状や空気流動などを考慮した開発をする必要がある。本研究では、小型予混合気圧縮着火装置の実験をとおして、NH3とヘプタンの化学的な相互作用を明らかにし、着火・燃焼を予測するための化学反応機構を改良する。さらに、改良した化学反応機構を用いて、エンジン内の燃焼をCFDシミュレーションを用いて解析し、NH3を主燃料とするディーゼル機関の性能や排出ガス成分を改善する方法を検討する。
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研究実績の概要 |
アンモニアと軽油の混合気の圧縮着火について実験するための小型予混合気圧縮着火試験装置の基本設計を完了した。また、本装置の製作図面の作成を進めた。計画時には重錘を落下することで、ピストンを駆動し混合気を圧縮させる構造を想定していたが、実験の正確さの確保や円滑な実験の実施を優先する観点から、文献で報告されている圧縮着火装置の機構や構造を参考に、本研究で使用する小型予混合気圧縮着火試験は、シリンダ・ピストンによる燃焼室部分と、油圧及び空圧シリンダからなる燃焼室のピストンを動かすための駆動部からなる構造へ変更した。燃焼室には、混合気の吸入と排出のための通路、圧力計設置用の穴、安全弁を備える設計とした。駆動部は、空圧シリンダと油圧シリンダを直列に配置し、1MPa未満の圧縮空気によって空圧シリンダを動かして燃焼室のピストンを駆動し、油圧シリンダにより空圧シリンダの動きを制御する構造とした。燃焼室の圧縮圧力や耐圧、空圧シリンダや油圧シリンダの受圧面積等を考慮して各部の寸法を定め、製作図面の作成を進めた。 また、アンモニアと軽油の燃焼をシミュレーションする方法として、それぞれの化学反応機構を組み合わせて、アンモニアとヘプタン(軽油相当燃料)の混合気の着火遅れ時間について数値計算を行った。報告されている実験結果との比較の結果、選択した化学反応機構によって、着火遅れ時間の予測に大きな違いがあり、化学反応機構の選択の重要性と反応機構の改善の余地が大きいことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究で使用する小型予混合気圧縮着火試験装置の製作ができていない。文献調査を実施し、類似する試験装置を参考に、実験の正確さの確保や円滑な実験の実施を優先する観点から、研究計画時に予定していた構造から変更する必要があり、その設計に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中の実験実施を目標に前年度から引き続き、小型予混合気圧縮着火試験装置の製作図面の作成を進める。 また、化学反応機構を用いた燃焼解析と化学反応機構の改良のために、文献調査を継続する。
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