研究課題/領域番号 |
23K04261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
谷口 智之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (20782460)
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研究分担者 |
松尾 宏平 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, グループ長 (00399528)
森下 瑞生 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (00897770)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 3Dパスプランニング / 組立順序計画 / RRT / 配管 / 組立手順(ASP) / 組立経路(APP) / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
造船業のような一品生産を主流とする産業では下流側の生産設計にまでDXの検討が十分に行われておらず,中でも最も重要な組立手順の生成は属人的な作業となっている.本研究では,機械学習による組立可能性の近似評価モデルに基づく組立手順の自動生成手法を提案する.製品を干渉無く組み立てる組立パスの導出と,それに基づく組立順の探索を行うが,従来はこれらの計算効率観点から実用的な大規模製品に適用するには不十分であった.本研究では組立パスを推定する機械学習モデルとそれに基づく効率的な木探索手法を構築し,その有効性を検証する.本成果によってリードタイム短縮と設計品質の向上が見込め,業務やプロセスの変革の一助となる.
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研究実績の概要 |
近年,デジタルトランスフォーメーション(DX)への関心が高まる中,CAD/CAMの製品データを活用して設計の効率化を目指す研究が盛んに行われている.造船業のような一品生産を主流とする産業では下流側の生産設計にまでDXの検討が十分に行われておらず,中でも生産設計において非常に重要な組立手順の生成は属人的な作業となっている.本研究では,機械学習による組立可能性の近似評価モデルに基づく組立手順の自動生成手法を提案する.製品を干渉無く組み立てる組立パスの導出と,それに基づく組立順の探索を行うが,従来はこれらの計算負荷が非常に高く,大規模な製品に対して実用的に適用できるレベルには達していなかった.本研究では組立パスを直接的に推定する機械学習モデルとそれに基づく効率的な木探索手法を構築し,実製品に対してその有効性を検証する.本成果によって設計リードタイム短縮と設計品質の向上が見込め,業務やプロセスの変革へとつながることが期待される. 当該年度は研究計画上の「簡易形状に対する組立パス推定法の構築」と「実データの整理」を実施し,加えて「組立パスを用いた組立手順の生成法」の検討を実施した.造船所の協力の下,実際のCADデータを提供いただき,CADデータから一部限定的な領域を取り出して検討を実施した.配管と船殻,サポートの3種類を対象として,そのうち配管の組立パスを推定する手法を構築した.従来法であるRapidly exploring Random Tree (RRT)では組立パスを得ることが難しい形状があり,本研究ではRRTをベースとして改良を施した.また,その結果とモンテカルロ木探索を用いた組立順序の計算方法についても検討を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画では「簡易形状に対する組立パス推定法の構築」と「実データの整理」を実施する予定であったが,当該年度ではそれに加えて「組立パスを用いた組立手順の生成法」まで実施しており,当初の計画以上の進展といえる.「簡易形状に対する組立パス推定法の構築」は簡易形状のみならず実際のCADデータの形状を用いて検討できており,これも当初の計画以上の進展といえる.「組立パスを用いた組立手順の生成法」は組立パスの推定法を利用して組立順序を決定するためのアルゴリズムを先行的に検討している.特に従来の幅優先探索法ではなく,モンテカルロ木探索を適用する手法を考案している.
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今後の研究の推進方策 |
次年度である令和6年度では,「実データを用いた組立パス推定法の構築」と「実データに対する組立手順生成法の構築」を実施する.前年度よりも対象とするモデルを大きくし,それに伴う計算量の増加に対しても適用できるような効率的なアルゴリズムを検討する.配管部品についてはCADデータから変換できるように整理し,複雑なコンバータを不要とするデータフローまで検討する.
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