研究課題/領域番号 |
23K04263
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
黒田 麻利子 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (40462874)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 反射波 / 船首 / 極短波長 / 波浪中抵抗増加 |
研究開始時の研究の概要 |
船舶の大型化により、相対的に海の波は船の長さに比べて短くなっており、また、温室効果ガス排出量規制への対応として低速運航が行われている。そのため、低速時の短波長における抵抗増加が重要となっている。しかし、低速時の短波長の波浪中抵抗増加については、造波の難しさや側壁からの反射などの制約があり、実験的調査が難しい。そこで、短波長域の抵抗増加に関する波の反射率について調査を行い、現在の推定モデルで考慮されていない、船首部形状を表すパラメータを取り入れることにより、推定モデルの改良を行う。
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研究実績の概要 |
海事業界では、温室効果ガス排出量削減のための規制が既存船にも適用されることとなり、削減率を満たすため、低速運航化・大型化がますます進むと考えられる。大型化に伴い相対的に海の波の波長は船の長さに比べて短くなっているが、低速時の短波長における抵抗増加については、速度・波長・波向との関係から船首部での反射波が不安定な状態になりやすいことと、実験設備の制約から、短波長造波の難しさ、水槽躯体の側壁からの反射の影響により、実験的調査が難しい。 本研究では、低速時の短波長における抵抗増加について調査するため、短波長域の反射率及び船首部形状との関係について調査し、現在の反射率を表現する出会い角周波数、喫水をパラメータとしたモデルに、船首部形状を表すパラメータを組み込み、反射率の推定精度を改良することを試みる。 今年度は、次年度に実施する水槽試験の計画を検討した。従来の模型船、計測装置では、短波長の試験に限界があるが、極短波長の挙動を調査するためには、水槽のスペックと造波機の性能、計測装置の許容量を考慮して、できるだけ大型の模型船を用いた水槽試験を実施する必要がある。この条件を考慮したうえで、当初予定していた新規製作の模型船を対象とするのではなく、既存の模型船に対象船を変更した。 また、従来船首形状を持つ既存模型船を用い、極短波長の低速波浪中試験(向波)を次年度の試験に対する予備試験として実施した。模型船に取り付けた検力計により、船体にかかる力を計測し、また、船首部前方に取り付けた複数の波高計により、波浪中航行時の船首部からの波の反射を調査するためのデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度の水槽試験の対象船について、予算との兼ね合いから既存の模型船を利用する方針に変更し、模型船製作に先んじて予備試験を実施した。そのため、模型船製作は次年度に実施することにしたが、次年度中の水槽試験の実施に間に合うように製作するようにすすめることにより、全体的なスケジュールに変更のない範囲で進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
船首部模型の製作を行い、波浪中周波数応答試験を行い、船首部からの波の反射率と模型船に働く力、船首部形状の関係を調査する。調査結果を用いて、波浪中抵抗増加評価における現在の反射率のモデルの改良を検討し、低速時波浪中抵抗増加推定精度の向上につなげる。
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