研究課題/領域番号 |
23K04277
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
伊高 静 東京理科大学, 創域理工学部経営システム工学科, 助教 (80776336)
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研究分担者 |
田中 未来 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (40737053)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 森林管理 / 地理空間解析 / 樹種判別 / 施設配置 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
樹木の病害虫は、森林資源に対する大きな脅威である。防除手法の選定はこれまで、現場の感覚に頼ってきた。そこで本研究は、現場感覚を科学的方法論に落とし込み、効率の良い防除手法を提示するシステムを構築する。具体的には、林地の現状把握、被害と防除のコスト、防除の効果・効率を明確にした上で、最適な防除手法を選定するモデルを作成する。また、林地の現状把握には空撮画像を用いた樹種判別の手法が欠かせないが、我が国の多様な広葉樹に関しては実用化のレベルに達していない。本研究では、季節ごとに葉が吸収・反射する光のスペクトルが異なる点に着目し、より広範囲な樹種の判別に取り組む。
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研究実績の概要 |
森林病害虫による被害リスク軽減のために、どの程度のコストが見込まれるかといった点を考慮した持続的な管理システムを構築することが現場で求められている。加えて、森林管理現場においては、林業労働者の減少や高齢化が問題視される中、若者や未経験者の育成と技術の継承が難しい。現場の技術を科学的方法論に落とし込むことができれば、現場における意思決定の一助となるだけでなく、未経験者が参入しやすい環境構築の一歩となる。そこで本研究は、真に社会課題の解決につながる総合的なアプローチとして、現場感覚に沿った病害虫被害防除法の選定をシステム化することを目的とする。また、現状把握に必要な樹種情報を正確に把握するために、空撮画像データを利用した機械学習による樹種判別を試みる。画像による広葉樹の樹種判別は、近年試みが始まったばかりで、日本のような樹種が多様な国ではその判別は容易ではない。本年度は、樹種判別のデータ収集のため、関東と東北の3試験地において広葉樹林の空撮を行い、得られたデータをもとに樹種判別を試みている。その際、上空からのデータと地上データを一致させる必要性があり、そのための樹冠抽出や樹木の位置同定が必須となることがわかった。そこで、樹種判別・位置同定・樹冠抽出について、それぞれ同時並行的にデータ収集・整理・モデル化・判別等を行っており、現在試行錯誤の最中である。樹種判別においては、スペクトルカメラを用いて撮影した多時期画像をもとに、機械学習により判別を行ったが、さらなる空撮画像取得と、手法の検討が必要な状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、樹種判別のデータ収集のため、青森、岩手、千葉県の3試験地において広葉樹林の空撮を行った。空撮に合わせて地上調査も行っている。樹種判別の際は、現実には上空からのデータと地上データを一致させる必要性があり、そのための樹冠抽出や樹木の位置同定が必須となることがわかった。そこで、樹種判別・位置同定・樹冠抽出について、それぞれ同時並行的にデータ収集・整理・モデル化・判別等を行っており、現在試行錯誤の最中である。樹種判別においては、スペクトルカメラを用いて撮影した多時期画像をもとに、機械学習により判別を行ったが、さらなる空撮画像取得と、手法の検討が必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に実施した樹種判別のための空撮と地上調査によって得られたデータの解析は、引き続き次年度も行う。空撮は次年度も引き続き行っていく。樹種判別をするにあたって、いくつかの課題を同時並行的に解決する必要があることがわかった。広葉樹は樹冠の抽出が難しいこと、そして樹木の頂点がわかりにくいことから、それらを解決するための方法について、樹種判別と同時並行的に実施していくこととした。 また、森林病害虫防除手法のコスト・効果・効率を明確化するため、存在する防除手法の中から、現場で使われている手法を選定し、それぞれについてそのコスト・効果・効率について明らかにする。 さらに、明確化されたコスト・効果・効率から、最適な防除手法を選定するモデルのプロトタイプを作成し、実際の森林管理の場に適用する。 以上を次の2年の間に行う予定である。最終年には、プロトタイプ修正を行った調査地に加え、検証用の候補地を絞り込む。作成したプロトタイプに樹種情報を加え、管理計画を提案できるレベルのモデルを完成させる。そして、実際に調査地において、データ取得から管理計画の策定までのプロセスを実施 し、検証を行い、汎用的なモデルを目指して修正を加えていく。
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