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電磁力振動を使用した地熱発電所鋼管の内壁に付着した温泉スケール厚み測定法

研究課題

研究課題/領域番号 23K04308
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分25020:安全工学関連
研究機関大分大学

研究代表者

後藤 雄治  大分大学, 理工学部, 教授 (00373184)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード地熱発電所 / 還元井鋼管 / 温泉スケール / 電磁力 / ローレンツ力 / 振動変位解析 / 振動 / 非破壊検査
研究開始時の研究の概要

低炭素社会実現のため、安定した再生可能エネルギーとして地熱発電が注目されている。地熱発電の鋼管の内壁に付着する“温泉スケール”の厚みは発電効率に直結し、その監視は重要である。温泉スケールは温泉中の成分が摘出・付着した不溶性成分であり、厚みが増すと蒸気の熱伝達率を著しく低下させるため発電効率が低下する。そこで本研究では、鋼管の外側から鋼管を局所的に弱い電磁力で振動させ、その振動強度から鋼管内側に付着する温泉スケールの厚さを簡便に短時間で評価できる検査手法を開発し、実用化を目的としている。

研究実績の概要

本研究では、地熱発電所内に使用される主に還元井鋼管内に付着する温泉スケールの厚みを、鋼管の外側から推定する非破壊検査手法についての研究を実施している。ここでは、還元井鋼管や温泉スケールの物理的性質を考慮した電磁力振動・変位解析のプログラムを開発し、測定原理の解明を行うと共に、最適な測定センサの設計を行い、実用化を視野に入れた検証実験と装置開発を行っている。
2023年度は実際に地熱発電所で使用されている還元井鋼管の磁気特性(B-H曲線)と導電率の測定を行った。また、これらの電磁気特性を考慮する三次元有限要素法の直流磁界非線形解析と、交流磁界非線形渦電流解析、また直流磁界と渦電流から算出する電磁力解析プログラムの開発を行った。さらに、鋼管と温泉スケールのヤング率やポアソン比を考慮した三次元有限要素法の振動変位解析プログラムの開発も行い、本提案測定手法の測定原理の解明を行った。
また、地熱発電所で使用される鋼管は径が大きいため、鋼管を電磁気特性が同等の平板鋼板として近似し、ヤング率やポアソン比が温泉スケールと類似しているセメントを鋼板裏面に塗り付けて、様々な温泉スケールの厚みを有する模擬試験片の作成を行った。次に、この試験片を使用して温泉スケールの厚みが電磁力振動に及ぼす影響を計算し、同じモデルでの検証実験装置も作成して、計算値と実験値の比較を行った。その結果、解析と実験では同様の傾向が得られ、温泉スケールの厚みを十分測定できる程度の振動変化を得る事ができた。さらに、鋼管内部に分布する直流磁界分布や渦電流分布、電磁力分布や変位分布等の解析も行い、温泉スケールの厚みが振動強度変化を与える要因についての現象解明も行えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は当初の計画通り、提案する電磁力振動センサの検出原理を解析する三次元有限要素法の電磁力・変位解析プログラムを開発する事に最も注力を注いだが、概ね解析プログラムの開発が行えた。また、この開発したプログラムの有用性を確かめる基礎的な実験も実施し、解析結果と実験結果の整合性を得る事ができている。さらに、この解析プログラムを使用して、本提案検査手法の検査原理の解明も、鋼管内部に分布する直流磁界分布や渦電流分布、電磁力分布や変位分布等の計算結果を検証する事で行え、おおむね順調に研究が進展していると感じている。

今後の研究の推進方策

今後は本提案測定センサの最適形状や大きさ、励磁周波数や励磁電流値、コイルの巻き数などの各種測定条件の選定を、本年度に開発した電磁力・振動変位解析を駆使して実施する。また解析結果を参考にして試作センサを作成し、実験による検証も行い、実際のモデルに近い環境下での最適な測定条件を検討していく予定とする。さらに、これらの選定が行えた後に、実際の地熱発電所内で使用されている還元井鋼管での基礎実験を行い、より実用的な装置構成を検討する予定としている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Examination of Thickness Evaluation of Steel Plate Using DC Bias Magnetic Field by 3D FEM Analysis Considering Minor Loop Magnetic Characteristics2023

    • 著者名/発表者名
      M.Kuromizu, S.Niwa, and Y.Gotoh
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Magnetics

      巻: 59 号: 5 ページ: 7100204-7100204

    • DOI

      10.1109/tmag.2023.3253925

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proposal of detecting for thickness method of hot spring scale inside steel pipes using vibration2023

    • 著者名/発表者名
      H.Ami, N.Shotaro, S.Shinya, G. Yanhui, and Y. Gotoh
    • 雑誌名

      International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics

      巻: 71

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 電磁力加振による大口径鋼管内部の温泉スケール厚み計測法の検討2024

    • 著者名/発表者名
      高杉亮太、 塩田真也、 生貞宏幸、 丹羽章太郎、 後藤雄治、 笹山瑛由
    • 学会等名
      第27回表面探傷シンポジウム講演論文集、(一社)日本非破壊検査協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電磁気現象を利用した非破壊検査2024

    • 著者名/発表者名
      後藤雄治
    • 学会等名
      大分県産学官連携推進会議、(公財)大分県産業創生機構
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 電磁力振動を用いた温泉スケールの厚さ測定法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      生貞宏幸, 塩田真也, 丹羽章太郎, 後藤雄治, 笹山瑛由
    • 学会等名
      第1回NDE4.0シンポジウム、(一社)日本非破壊検査協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電磁力加振による鋼管内部に付着した温泉スケールの厚み計測手法の提案2023

    • 著者名/発表者名
      生貞宏幸, 塩田真也, 丹羽章太郎,高杉亮太,吉村啓佑,後藤雄治,笹山瑛由
    • 学会等名
      2023年度第1回表面3部門合同研究集会、(一社)日本非破壊検査協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 電磁現象を利用した非破壊試験法の検討-地熱発電所鋼管内の温泉スケール測定及び、固体高分子形燃料電池内の発電電流分布推定法-2023

    • 著者名/発表者名
      後藤雄治
    • 学会等名
      (一社)電子情報技術産業協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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