研究課題/領域番号 |
23K04320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
木村 新太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (30582556)
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研究分担者 |
岡 泰資 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (10240764)
岡 秀行 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (80399518)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 浅層モデル / 仮想境界法 / 被害影響度評価 / 化学安全工学 / 高密度ガス / 重力流 / 影響解析 / 浅水方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
海運セクターの温室効果ガス (GHG) 排出削減に向けて、炭素を含まない液化アンモニア等の燃料利用が期待されている。一方、液化ガス燃料が海上へ漏洩すると、低温で空気よりも密度が高い燃料の蒸気は重力により地面に沿って扁平に広がり、周囲の気流の影響を受けにくく滞留しやすい性状を示す。本研究では、高密度ガスの拡散特性を考慮した、液化ガス燃料の火災・急性毒性リスク解析に適用可能な実用的な大気拡散解析モデルの開発を行う。現在広く利用されている実用モデルの欠点である障害物の影響を考慮するため、2次元浅水方程式を支配方程式とする浅層モデルに基づく高密度ガスの拡散解析モデルを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究では、高密度ガスの拡散特性を考慮した、液化ガス燃料の火災・急性毒性リスク解析に適用可能な実用的な大気拡散解析モデルを開発する。現在、影響度解析の実務において広く利用されているDEGADISモデル等の実用モデルでは、障害物による移流拡散現象への影響を考慮することができない欠点がある。本研究においては、この欠点を克服することを目的として2次元浅水方程式を支配方程式とする浅層モデルに基づく高密度ガスの拡散解析モデルを開発する。 初年度はまず、浅層モデルの基本となる数値計算コードの開発に取り組んだ。本研究では、障害物の影響を仮想境界法によって再現することを念頭に、非圧縮性流体の数値解法に適用される部分段階法を用いた速度場と圧力場のカップリング手法を採用し、Python言語を用いて計算コードを作成・試計算を実施し、重力流の計算が行えることを確認した。 また、天井面を開放した風洞模型内の長手方向片側に炭酸ガスを堰止めて、崩落する際に生じる重力流の先端速度や濃度分布を計測するための実験装置を製作し、ガス拡散実験に着手した。 引き続き、計算コードにおける支配方程式の離散化手法の検討や、仮想境界法の組込み、計算コードを検証するための実験データの取得を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
風洞模型の製作において、組立作業の発注が業者の都合により困難であったため、材料のみ調達し研究実施者らで自ら行うこととなった。これにより、実験の開始が予定よりもやや遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に基づいて、ガス拡散実験装置によって以下の実験および計算コードの検証を行っていく。
・炭酸ガスのダム崩落実験を行い、高密度ガスの先端速度およびガス濃度の計測、空気連行量の推定を行っていく。 ・矩形物体を模型内に設置し、物体回りの高密度ガス流れの可視化や濃度計測を行い、高密度ガス拡散解析モデルの検証用のデータを取得する。 ・ガス拡散実験との比較から、高密度ガス拡散解析モデルの改良を行う。
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