研究課題/領域番号 |
23K04333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
山本 佳男 東海大学, 工学部, 教授 (20272114)
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研究分担者 |
中川 儀英 東海大学, 医学部, 教授 (00246125)
大上 研二 東海大学, 医学部, 教授 (90223734)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 災害救助 / ドローン / LiDAR / サーマルカメラ / マイクロフォンアレイ / 自然災害 / 被災者救助 / センシング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ドローンと様々なセンシング技術を組み合わせて、被災直後、特に夜間の生存者の捜索を空中から行うことを目的とする。具体的には次の4種類のセンシング技術をドローンシステムに組み込むことで、夜間でも生存者の発見に貢献し得るシステムの開発を目指す。 ①3次元スキャン(3D-LiDAR)による至近距離からの地表面形状計測、②熱画像計測による生存者捜索、③マイクロフォンアレイによる救助を求める音声信号の音源定位、④捜索中のGNSS信号とスナップショット映像のログ構築。 特に①~③は夜間の生存者捜索に有効(④は昼夜を問わず有効)であり、72時間の半分を占める夜間の捜索活動に資する重要技術である。
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研究実績の概要 |
初年度は、ドローンに搭載すべき3種類のセンシング機能(3D-LiDAR、サーマルカメラ、マイクロフォンアレイ)を揃えて、大規模自然災害に見舞われた被災者を発生直後の夜間に発見・救出するための基本性能について確認を行った。3D-LiDARとサーマルカメラについては、空気式のマネキン人形4体を用いて大学敷地内(視界が開けたグラウンドと雑木林)で実験したところ、上空約50mからの捜索であれば夜間であっても3D-LiDARの点群データから人形の形状を認識できることがわかった。さらにサーマルカメラについては、携帯カイロを表面に貼付したマネキン人形を木々の間に横たえ、上空30mから飛行しながら観察したところ、人形の形状を明確に捕捉できることを確認できた。 その結果、3D-LiDARとサーマルカメラについては共に人の形状検出と体温検知を行える見通しを確認できた。ただし、当初予定の2段階アプローチ(複数のセンシングによる補完的な探索)の実験には至っていない。また、マイクロフォンアレイによる音源定位については、まずはドローンのロータ音によるノイズ低減に取り組む必要があることがわかった。 これらの結果については一部を2023年3月(日本機械学会関東支部講演会@早稲田大学)にて口頭発表済、また一部を2024年8月開催の国際会議(IEEE Conference on Industrial Electronics and Applications)において口頭発表を行う予定である(採択済)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3種類のセンシング機能のうち、3D-LiDAR、サーマルカメラは基本的な有効性の確認は実験を通じて確認できているが、マイクロフォンアレイを使った音源定位については、ノイズ音(ドローンに不可欠のロータ音)の影響が大きく現時点で検出したい音を取れていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は以下の2点を重点的に取り組んでいく。 ①マイクロフォンアレイによる音源定位 ノイズ音の問題をソフト面(信号処理)、ハード面(遮音壁)の両方を検討し少しでも下界から聞こえる音の識別性を高める。 ②3D-LiDARの点群データからの人型形状の自動認識 目視レベルでは人の形は確認できるがこれを膨大な点群データの中から自動的に認識させる必要がある。
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