研究課題/領域番号 |
23K04337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
若月 強 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 主任研究員 (80510784)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 土石流 / 免疫性・周期性 / 山地小流域 / 地形量 / 土砂移動分布図 |
研究開始時の研究の概要 |
斜面変動の免疫性や周期性を斜面変動予測に組み込むことは予測精度の向上のために非常に重要であるにも関わらず、その実態がよくわかっていない。本研究では、花崗岩類を基盤岩とする山地において、降雨による土石流に対して、複数災害の土砂移動分布図と災害記録等のデータを用い、山地小流域を単位として、土石流の再現周期と流域地形との関係を統計的手法により明らかにすることを目指す。中央アルプスの急峻な山地を含み土石流の周期性が多様で、かつ空中写真や災害記録が豊富な長野県南木曽町を主な研究対象地とし、さらに広島・防府などの既存研究との比較を実施する。調査手法は、土砂移動分布図作成・地形計測・地盤物性計測等である。
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研究実績の概要 |
本年度は、南木曽町の土石流に関して、文献調査及び空中写真判読による土砂移動分布図の作成を実施した。 文献調査では、1880年・1904年・1928年・1934年・1953年・1965年・1966年・1969年・1972年・2014年に土石流災害が発生したと考えられた。 土砂移動分布図の作成は、1947年・1959年・1963年・1969年の各年に撮影された空中写真を目視判読して、斜面崩壊や土石流など斜面変動の源頭部、流走部、堆積部をまとめて記載した土砂移動範囲を抽出した。これら4つの土砂移動分布図の中では、1969年の分布図に最も多くの斜面変動が存在していた。1969年分布図は1969年災害前の空中写真を判読したものであるので、これらは主に1965年と1966年の災害による斜面変動と考えられる。1959年分布図にも多くの斜面変動が存在しており、これらは主に1953年災害の斜面変動と考えられる。1947年分布図には、1959年分布図の半分程度の斜面変動が存在しており、これらは1934年災害などの斜面変動と考えられる。一方、1963年分布図にも1959年分布図に存在しない多くの斜面変動が存在していたが、文献調査ではこの間の災害はほとんど報告されていない。人的・物的被害を与える災害には至らない程度の斜面変動が山地内では発生していた可能性があり、今後気象データを比較しながら検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各年の空中写真判読による土砂移動分布図の作成の8割程度を初年度に終わらせる予定であったが、空中写真の画質が想定よりも低かったため、判読に時間を要し、今年度は5割程度の進捗に留まった。今年度は研究補助員を増やすなどして判読を加速させたい。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、南木曽町の土砂移動分布図の作成を継続するとともに、土砂移動分布図を使用した図上解析を開始する。 図上解析においては、まず様々な形状(面積・勾配)の流域が必要となるため、任意の面積での流域作成技術の開発を行う予定である。 本年度終盤以降は、この技術と土砂移動分布図を用いて、土石流再現周期の解明を進めていく予定である。
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