研究課題
基盤研究(C)
江戸時代以前の砂防施設である「砂留」は、現存するものですら、いつ築造されたのか、いつ嵩上げされたのか、ほとんどの場合明らかになっていない。それは明治以降の砂防施設とは異なり、計画・設計・施工に関する記録がほとんど残っていないためである。そこで、本研究では、現存する砂留について、①施工に用いられた木質材料や堆積した土砂中の炭化物による放射性炭素年代測定、②周辺地域で発生した災害に関する古文書の分析、③砂留の形状や石材の有様から、築造・嵩上げ・改修年代を明らかにし、土石流の発生頻度を推定するとともに、嵩上げ高から土砂量を算定し、過去に発生した災害の規模を推定する。