研究課題/領域番号 |
23K04353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
市野 宏嘉 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 准教授 (70760982)
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研究分担者 |
山口 信 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80570746)
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 教授 (90532797)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 内部爆発 / 爆破テロ / 爆発事故 / 爆風圧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、爆発事故や爆破テロを想定し、構造物の内部で爆発が生じた場合における構造物内外での爆風圧の評価を目的としている。構造物の模型の内部で爆薬を爆発させ、構造物内外での爆風を計測する実験を行い、構造物の壁や床などの部材が爆風の大きさ、持続時間および分布に与える影響を明らかにし、構造物の壁や床の耐力や開口部などを反映した爆風圧の評価を行う。さらに、構造物内外での爆風による影響を低減するための構造上の対策に関する検討を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、構造物の内部で爆発が生じた際の構造物内外における爆風圧の大きさ、分布および持続時間とそれに影響を及ぼす要因を調べて、爆風圧の定式化などの評価を行うことである。 令和5年度は、構造物の開口部の位置、大きさが構造物の外部に噴き出す爆風圧の空間分布に及ぼす影響を実験により調べた。本実験では、構造物を模した試験体の内部で爆薬を爆発させ、試験体の外部に噴き出す爆風の圧力を爆発位置から見て3方向で計測した。円筒形試験体には、上面または側面、あるいはその両方に開口部を設けた。ただし、開口部の影響のみを抽出するため、試験体の形状は円筒形とし、試験体の材料は鋼材として試験体の破壊による影響が生じないようにした。 実験の結果、開口部を設けたことによって、特定の方向への爆風圧の低減の効果が認められた。その低減の度合いは開口部の位置や大きさによる影響を受け、爆風の計測位置によってその到達時間、大きさ、分布および持続時間の違いが顕著であった。このような開口部による影響を踏まえた上で、構造物の内部で爆発が生じた場合に、その外部に伝播する爆風の最大圧力と力積を爆薬量と爆発源からの距離により定式化した。この式によって、構造物がない場合と、位置や大きさが異なる開口部を有する場合の爆風圧の評価を行った。この成果は、爆発事故時における爆風の伝播方向を限定すること、あるいは爆風圧の大きさなどを事前に予測することにより保護対象となる施設の配置に反映させるなどの爆発被害の低減策に資するものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度には予定どおり鋼製試験体内で爆薬を爆発させる実験を行い、その際に容器外部に噴き出す圧力の分布に関する検討がおおむね終了した。また、令和6年度に予定していた爆風圧の評価式に関する検討を前倒しで進めている。一方、令和5年度予定していてまだ完了していない事項として、構造物が爆発によって破壊された場合に、その破壊が構造物外部での爆風に及ぼす影響についての検討がある。以上を総合的に考慮すると、実施事項は予定とは順序が前後しているが、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度も引き続き、構造物を模擬した試験体内での爆発実験を行う。令和5年度の成果を基に、開口部による影響に加えて、構造物の破壊が爆風圧に及ぼす影響についても検討を行う。この検討の後、構造物内外への爆発の影響の低減策の検討に移行する。
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