研究課題
基盤研究(C)
β-FeSi2は地殻中に豊富に存在する元素で構成された熱電材料であり,安価かつ毒性が極めて低く,排熱利用発電など大規模な利用に最適な材料であるが,実用化には更なる性能向上が必要である.β-FeSi2単結晶では熱電物性に異方性があることが明らかになっており,多結晶体においても結晶方位の制御により性能向上の可能性がある.本研究では,共析反応のみで相変態が完了するSiとβ-FeSi2の共存組成に着目し,その相変態挙動を調査するとともに,一方向凝固や温度勾配下での熱処理等によりβ-FeSi2の結晶方位制御を行う.これによりβ-FeSi2基材料の熱電物性の異方性を明らかにし,その性能向上を目指す.