研究課題
基盤研究(C)
本研究では、熱平衡状態の合金の性質と原子間相互作用の関係が持つ複雑な非線型性を解明するため、最初の3年で多様な幾何学や情報理論を統計力学と融合し、非線型性を多角的に理解・記述できる新たな学理「幾何統計力学」を構築する。確率熱力学のアプローチを組み込み、ゆらぎを含めた非線型性の詳細な発展の定式化および非線型性と熱力学関数の関係を明らかにする。2年から最終年では、幾何統計力学の知見を用いた応用として熱平衡状態の性質の高速計算手法や相互作用逆予測手法の開発の基礎確立、および現実系の非線型性の振る舞いを記述する良いモデルを構築し、非線型性の効果的な制御因子の解明や発現機構の構造依存性の解明を目指す。