研究課題/領域番号 |
23K04361
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
劉 麗君 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80809195)
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研究分担者 |
廣谷 潤 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80775924)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 機械学習 / 第一原理計算 / 金属材料 / 分子動力学 / 時間並列計算 / 分子動力学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らが新規に開発を進める機械学習と第一原理計算による高精度分子動力学ポテンシャルと時間並列分子動力学計算の融合により、Mg合金における異種元素の添加効果のメカニズムを明らかにすることを研究目的とする。メカニズム解明と並行して異種元素添加効果を生かした構造探索、Mg系原子層材料を対象とした物性探索を行い、次世代材料として期待を集めるMg合金に関する力学特性の解明と応用にチャレンジする。
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研究実績の概要 |
初年度はMg合金を中心に第一原理計算精度を有する機械学習ポテンシャルの開発と精度検証を行った。様々な力学パラメータを再現できる原子間ポテンシャルを開発することができた。さらに、Mg-Ca合金に関してこれまで実験で観測された物理現象の数値シミュレーションによる再現を検証した。 高性能Mg-Ca合金の設計においては、Ca原子の固溶効果に加えて、転位、双晶、粒界とCa固溶体クラスターや析出物などの微細構造との相互作用も考慮すべき重要な要素であり、これまでにMg-Ca合金に関するの延性がCaの固溶によって改善されることが、いくつかの実験結果や分子動力学結果によって報告されていた。しかしながら、従来の開発されたMg-Ca ポテンシャルのほとんどは、平衡状態での基本的な性質を再現することができるが、不安定な状態や欠陥が含まれる場合には、これらのポテンシャルでは正確な予測ができない問題があった。そこで開発したMg-Ca原子間ポテンシャルを用いてシミュレーションを行った結果、基本的な物理的、力学的、熱的特性だけでなく、高温高圧下での相転移も正確に予測することができることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画から加速してMg-Ca合金においてこれまでシミュレーションで再現できなかった相転移の物理現象を初めて再現できたことが大きな成果であるといえる。さらに、開発した高精度原子間力ポテンシャルの開発スキームをMg合金以外のカーボン系材料などにもすでに展開させ始めており、初年度は当初の計画以上に研究を進展させることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Mg-Ca合金以外にも開発した高精度原子間力ポテンシャル開発スキームを用いて、Al-CaやMg-Al-Caなどの合金における深層学習ポテンシャルモデルの性能検証を行う。これを用いて積層欠陥や転位などの塑性変形に関連する欠陥モデルを用いて、エネルギーや臨界せん断応力などの計算値と実験値や第一原理計算の計算値と比較する。具体的には、まず、添加元素が5つのすべり面(底面、柱面、1次錐面、2次錐面、引張双晶界面)の一般化積層欠陥エネルギーに与える影響及び温度依存性を調査することを想定している。これにより、これまでに過去文献で検証がなされてないCaとAlの添加に関する積層欠陥エネルギーの検証などを中心に、添加元素量が各すべり面の積層欠陥エネルギーの影響調査などを中心に研究を実施することでMg合金に対する各種力学特性や物理現象に対する検証と評価を進める。
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